熱中!審判教室「正審、副審の判定区分って」ケース・スタディ01
月曜連載・ルールとマナーのおはなし
みなさん、自信を持って「審判」できてますか?
ソフトテニスでは敗者審判制が多く採用されており、審判員資格がないと出られない大会もあります。自分が審判をするときに戸惑わないため、また試合において自信を持ってプレーするためにも、いまいちど「審判教室」でルールをおさらいしておきましょう。
正審、副審の判定区分って
今回は《正審と副審の判定区分》についてです。熱中審判シリーズで何度か取り上げてきたテーマですが、「分からない」「迷った」という声が多かったので、あらためておさらいしておきましょう。
下図の黒い点線が副審の判定するライン、それ以外は正審が見ます。ネットは正審、副審の共通の判定区分となります。共通の判定区分は他にもあるので下にまとめてみました。見逃さないようにしましょう。
読者の中には「副審とモメた」という人もいましたが、いけませんね〜。今回登場した石倉くんのように、良かれと思って副審の判定を無視したら、結局は「レット」となり、進行に支障をきたすこととなってしまいました。正審・副審はそれぞれの判定区分を守り、互いの判定を尊重しなければいけません。
そして、この場を借りて、先生方や指導者の方にも一言申し上げたいと思います。たとえ判定が間違っていたとしても「入ってるだろ」「アウトだ」などと言って、子どもたちを混乱させないでください。人間が審判をしているのですから、一度や二度の失敗はつきもの。ミスも温かく見守り、子どもたちが自立して審判ができるように手助けをしてあげてくださいね。
登場人物紹介
ケース・スタディ01:花粉症だから審判できない!?
今井先生の解説
身体上の理由なら大会本部に了承を
副審の北野くんは、試合前にそれほど症状が出ていなかったのが、試合が進むにつれてどんどんひどくなったと推察されます。理由があって「もう審判を続けられない」となったら、まずタイムを取り、大会本部で審判委員長なり競技委員長に事情を説明しましょう。本部の了承を得れば、審判を交替できます。
審判規則22条には「身体上審判の継続が不可能」「参加プレーヤーが審判を行っている場合で、大会の進行に支障をきたす」「レフェリーがやむを得ないと認めた」の3ケースで審判の交替が認められるとあります。いずれにせよ、自己判断ではなく、必ず大会本部で許可を取ってからにしてください。
「相手の監督がうるさいんで、審判を代わってもいいですか」はもちろんダメですよ!
補足+アドバイス
事前に対策を。グラサンはダメよ
花粉症が心配なら、あらかじめマスクやゴーグルを用意しておくといいですね。マスクをしながらの審判はダメなんて規則はないですから。ただし、サングラスは表情が見えないので避けた方がいいですね。
『熱中!審判教室「正審、副審の判定区分って」』は、ベースボール・マガジン社発行「熱中!ソフトテニス部」22号に掲載されたコンテンツです。バックナンバーはコチラよりお買い求めいただけます。