講師●野沢秀雄
PROFILE
のざわ・ひでお/1940年生まれ。京都大学卒業。日本で初めてプロテインを開発。健康体力研究所を設立し、現在は顧問。社団法人日本ボディビル連盟で公認指導員講習会の講師を長年務める。身体作りやトレーニングについてメディアから多くの取材を受け、雑誌や新聞に多数連載を続けている。
なぜ体幹が大切なのか?
最近になって「体幹を強くしろ」としきりに言われます。「体幹」とは、腕や脚でなく、胸や腹、背中、いわゆる胴体のことです。特に表面に目立つ大胸筋や腹直筋、広背筋より、その奥にあるインナーマッスルを鍛えることの重要性が叫ばれています。つまり、身体の前面なら腹横筋、背面なら固有背筋(脊柱起立筋)、それに上半身と下半身をつなぐ大腰筋など、深部にある筋肉を重要視しています。
これら深奥部にある筋肉は、姿勢を保持する役割を果たしています。どんな場合もぐらつかず、素早く正しい姿勢に戻す作用をするのです。
つまり身体の中心になる軸になっており、あらゆる動作の基本になるわけです。ここが弱いと、運動中の姿勢がぶれて球を的確に返すことができなくなります。また、骨盤に歪みがあると、腰痛、肩こり、頭痛などを起こしがちです。
今までの筋トレでも、腹横筋はシットアップなど、固有背筋はベントロー、大腰筋はスクワットなどでしっかり鍛えられていますが、もっと効率よく目的のインナーマッスルを鍛えることが必要とされています。
正しい姿勢を保つヒント
体幹の筋肉は姿勢を正しく保持するのに重要な役割を果たしています。立つ、歩く、走るなどの場合、上半身の体重が下半身の真上に乗っていること。頭は4キロも重さがありますが、胴体の真上に乗っていることが基本です。
けれども最近の青少年の姿を見ると、いつもモバイル機器に夢中で姿勢が曲がっています。首も骨盤もゆがんだまま。体重を骨盤でしっかり支えないと、内臓や神経の不調になってきます。まして部活をしている選手なら、日ごろから胸を張り、首や背中が真っすぐでないと良い成績につながりません。真っすぐの姿勢を確認するには、壁の前に立って、後頭部・背中の肩甲骨・お尻・かかとが一直線にくっつけましょう(イラストを参照)。
体幹トレーニングはいくつもの種類があります。今回は簡単に実行でき、しかも効果が現れやすい種目をイラストで紹介します。前回紹介したスクワット等も優れた効果がありますが、今回のイラストは筋トレと違い、毎日実行しても構いません。誰でも自宅でできる内容のものです。3か月続けたら身体の軸が強くなり、スポーツの動きがラクになります。
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深部を鍛える体幹トレーニング
強いカラダをつくる12の鍵、第4回「体幹を鍛えるカギ」は以上です。
連載はまだまだ続きます!予定は次の通り!
- 第1回「身長を伸ばすカギ」
- 第2回「胸を厚くするカギ」
- 第3回「脚を強くするカギ」
- 第4回「体幹を鍛えるカギ」
- 第5回「肩とヒジを強くするカギ」
- 第6回「ヒザと足首を強くするカギ」
- 第7回「握力を強くするカギ」
- 第8回「持久力を高めるカギ」
- 第9回「運動神経を良くするカギ」
- 第10回「視力を良くするカギ」
- 第11回「余分な体脂肪を落とすカギ」
- 第12回「ぐっすり眠るカギ」
この内容は「熱中!ソフトテニス部」20号に掲載したものを再掲載したものです。雑誌のバックナンバーをお求めの方はBBM販売サイトよりご注文ください。