熱中!審判教室「プレーヤーの心得と警告」ケース・スタディ01
月曜連載・ルールとマナーのおはなし
みなさん、自信を持って「審判」できてますか?
ソフトテニスでは敗者審判制が多く採用されており、審判員資格がないと出られない大会もあります。自分が審判をするときに戸惑わないため、また試合において自信を持ってプレーするためにも、いまいちど「審判教室」でルールをおさらいしておきましょう。
プレーヤーの心得と警告
ソフトテニスでは「プレーヤーの心得」「禁止事項」「異議申し立て等の禁止」に違反した場合、警告(イエローカード)となります。「異議の禁止」は何度も取り上げたので、今回は「プレーヤーの心得」を見ていきましょう。
競技規則には「プレーヤーは互いにマナーを尊重し」とあります。つまり『フェアプレーに徹しなさい』ということ。大会前に「宣誓、われわれは……」と選手宣誓をしますが、あれがルールの原点なんです。
ひとつ例を挙げますが、技術レベルの違う子たちの試合で、上手ではない方がサービスのとき、一方の選手がその子へ渡すボールを思いっきり強く打っていたことがありました。へたな子は取ることができず、何度も後ろに拾いに行っている。顧問にそれを指摘しても、「試合の中で練習できる唯一のチャンスだから」と意に介しません。自己本位で相手に対する思いやりを欠いた行為ですよね。マナー違反です。「警告」とはなりませんでしたが、速い球を打つ子には指導をすべきでしょう。
中学生は自分本位の年代で、試合に勝つためには何をやってもいいと考えがち。中学部活は教育の一環ですから、勝ち負けではなく、相手への思いやりを学ぶべきです。フェアプレーについては、日本体育協会の『フェアプレイ宣言』を参考にしてください。
今回、マンガで紹介したほかに、大会の会場で受付を済ませておいて試合に来なかった場合も警告の対象になります。呼び出しても現れなかったら、5分おきにイエローカードを出して合計15分(5分×3枚)でレッドカード(失格)。コートに相手が待っているので、そのペアに対する迷惑行為になります。10分後に現れたら、そのマッチはイエロー2枚からスタートです。
登場人物紹介
ケース・スタディ01:監督の声がうるさすぎ!
今井先生の解説
怒鳴り声はNG・試合中の助言もダメ
「バカヤロー」「何やってんだ」なんて生徒に怒鳴っている監督がたまにいますよね。たとえ自チームに対してでも、相手が不快になるような発声は、審判の判断で警告の対象になります。
また、試合中に監督が後ろからアドバイスをするのもいけません(禁止事項違反)。「相手のバックを打て」「ストレート狙え」「前衛をアタックしろ」は完全にアドバイスです。試合中、監督が選手に指示できるのは奇数ゲーム終了後またはファイナルゲームの前、ベンチに戻ったときに所定の場所で(大会にもよるが主にベンチ)、というのがルールです。
なお、何が不快で何が通常なのかは、明文化されておらず、正審の判断によりますが、やはり『フェアプレイ宣言』を参考にしてください。
補足+アドバイス
負けてプイッはマナー違反
『フェアプレー』でもう一言。中学生には「試合後、お互いの健闘をたたえあい、握手をしましょう」と指導しています。負けてふてくされてコートを出るのはマナー違反。負けた方から握手を求めていくのが理想ですね。
『熱中!審判教室「正審、副審の判定区分って」』は、ベースボール・マガジン社発行「熱中!ソフトテニス部」23号に掲載されたコンテンツです。バックナンバーはコチラよりお買い求めいただけます。