熱中!審判教室「プレーヤーの心得と警告」ケース・スタディ02
月曜連載・ルールとマナーのおはなし
みなさん、自信を持って「審判」できてますか?
ソフトテニスでは敗者審判制が多く採用されており、審判員資格がないと出られない大会もあります。自分が審判をするときに戸惑わないため、また試合において自信を持ってプレーするためにも、いまいちど「審判教室」でルールをおさらいしておきましょう。
プレーヤーの心得と警告
ソフトテニスでは「プレーヤーの心得」「禁止事項」「異議申し立て等の禁止」に違反した場合、警告(イエローカード)となります。「異議の禁止」は何度も取り上げたので、今回は「プレーヤーの心得」を見ていきましょう。
競技規則には「プレーヤーは互いにマナーを尊重し」とあります。つまり『フェアプレーに徹しなさい』ということ。大会前に「宣誓、われわれは……」と選手宣誓をしますが、あれがルールの原点なんです。
ひとつ例を挙げますが、技術レベルの違う子たちの試合で、上手ではない方がサービスのとき、一方の選手がその子へ渡すボールを思いっきり強く打っていたことがありました。へたな子は取ることができず、何度も後ろに拾いに行っている。顧問にそれを指摘しても、「試合の中で練習できる唯一のチャンスだから」と意に介しません。自己本位で相手に対する思いやりを欠いた行為ですよね。マナー違反です。「警告」とはなりませんでしたが、速い球を打つ子には指導をすべきでしょう。
中学生は自分本位の年代で、試合に勝つためには何をやってもいいと考えがち。中学部活は教育の一環ですから、勝ち負けではなく、相手への思いやりを学ぶべきです。フェアプレーについては、日本体育協会の『フェアプレイ宣言』を参考にしてください。
今回、マンガで紹介したほかに、大会の会場で受付を済ませておいて試合に来なかった場合も警告の対象になります。呼び出しても現れなかったら、5分おきにイエローカードを出して合計15分(5分×3枚)でレッドカード(失格)。コートに相手が待っているので、そのペアに対する迷惑行為になります。10分後に現れたら、そのマッチはイエロー2枚からスタートです。
登場人物紹介
ケース・スタディ02:今度は外野がうるさいよ!
今井先生の解説
注意を聞かない場合大会委員長に依頼を
硬式テニスでは試合中に声を出さず拍手だけですが、ソフトテニスでは昔からの伝統で応援はしていいということになっています。
ただ、試合中の「がんばれ」「ナイスショット」は応援ですが、「今の1本大きいよ」などと相手のミスを喜んだり、「相手のバックは弱いぞ、弱いぞ」は野次になりますから、マナー違反でNGです。
あまりにも野次がひどい場合、審判は選手や監督だけでなく、応援団に対しても注意の喚起ができます。
「静かにしてください。選手に対して不快な発言はやめてください」と注意し、それでもやめない場合は、大会委員長に依頼してください。最終的に改まらない場合はその会場から立ち去ってもらうことになります。
補足+アドバイス
ルールを守って楽しく声援を
審判規則20条の解説27に「応援は、競技の盛り上がりとして認める方向にある」とあります。応援も含めてソフトテニスの醍醐味ですから、マナーに気を付けて楽しく声援を送りましょう。
『熱中!審判教室「正審、副審の判定区分って」』は、ベースボール・マガジン社発行「熱中!ソフトテニス部」23号に掲載されたコンテンツです。バックナンバーはコチラよりお買い求めいただけます。