優れた身体能力と長身、勝負強さを期待され名門社会人チーム・東芝姫路の門をたたいた泉谷朋香。ルーキーイヤーは試練の季節になった。練習への取り組みなど、まず自分を見つめ直して臨んだ2年目の2016シーズン。日本代表に初選出され、10月の国体では2014年全日本実業団以来の団体タイトル獲得に貢献した泉谷が、今度はアジアに旅立つ。女子日本代表チームで最年少の大型前衛が語る、初めての国際大会への思い。
「これ、自分にもできるんちゃうか」代表で戦術の考え方が広がった
昨年(2015シーズン)は、社会人1年目。
その時々では、自分自身で(調子が)悪いなとは思っていませんでした。ただ、国体予選で負けた経験は大きかった。先輩たちにとってもブロック敗退は初めてのこと。シーズン後にまず自分個人を振り返って。やっぱり、調子は良くなかったんだと思い直しました。力を出しきれていない、結果を出せていない。今年(2016年)は『自分のすべきこと』をきちんとやっていこうと思って迎えました。
自分がやるべきこと。
たとえば、トレーニングです。高校時代はトレーナーさんもいて、自然にメニューをこなせていたのですが、社会人に入るまでの期間や、入ってから、それまで積み上げてきたものが落ちていっていた。
今年は代表に入ることができたので、代表のトレーナーに渡されているメニューがあって、それを先輩方と一緒に毎日するようになりました。練習が終わって、チームでやる体幹トレーニングがあって、そのあとですね。身体が変わると、テニスは変わります。一番感じるのは、試合の入りの瞬発的な動き。前衛なので、瞬間の動きが大事なのですが、今は入りから身体がよく反応してくれます。今年になって感じた効果ですね。
日本代表は田中監督(弘)、高川コーチ(経生)、2人とも前衛で日本代表。「考え方が、違うなあ!」と、感じます。例えば、これまで私が思っていた「戦術」は少し狭いのかもしれない。考え方が広がることは、私にとって楽しいことです。「これ、自分にもできるんちゃうかな」と思えることもあるので。
国際大会は、その怖さをいろいろと聞かされるのですが、自分のレベルがどこまで通用するのか、試したい、楽しみな気持ちがあります。
初めて出場するのでライバルといえる選手はいませんが、日韓中で一緒になった韓国の後衛の方(かた)が代表に入っていて(ムン・ヘギョン)、韓国代表が千葉に練習合宿に来ていたときに、コートですれ違って、向こうから声をかけてくれました。
同い年なので意識はします。負けたくないなと思います。
profile
いずたに・ともか●1996年8月15日生まれ、大阪府出身。岸和田ジュニア(小1~)→昇陽中→昇陽高→
東芝姫路2年目。前衛。
>>泉谷朋香インタビューの全文は現在発売中のソフトテニス・マガジン12月号に掲載