日本代表への思いはずっと強く持っていた。「前から、気持ちはありましたが、年下の選手が選ばれ始めたときにはやはり悔しくて。横山温香さん(現アドマテックス)、小林奈央さん(早稲田大卒)、若い時期から選ばれたので」
社会人8年目で年齢は森原可奈の1つ下。近年は国内の大会で結果を残すことに集中した。それが、本人を悩ませることにもなった。代表選出への道は国内戦績しかない。2016年、優勝を遂げた全日本社会人選手権には、決して好調とは言えない状況で臨んだという。
相手ペアの「がんばって」が勝つたびに響いてきた
予選会で勝つのが一番ですが、とにかく国内の大会で勝たなければと。今年も皇后杯(※インタビュー収録は皇后杯の前に行われた)を一番の目標に置いて調整を進めてきたのですが、全日本社会人(9月上旬)へはなかなか調子を上げられないままで。まずは目の前の相手を倒すこと――それだけを話していました。
全日本社会人は、気持ちの面で調子がすごく良かったんです。技術面が良くないのがはっきりしていたぶん、割り切って考えることができた。ミスがあっても、前向きにとらえて進むことができました。1試合1試合進むうちに、ここまで来たら、もう負けられないという気持ちに変わってきました。森田/神谷(奈緒/絵梨奈=ヨネックス)に勝ってからは、はっきりそう感じていました。
森田/神谷とは2回戦で対戦。森田/神谷は2015日本代表予選会優勝ペアで日本代表のチームメート
うれしかったのは、試合の後で相手ペアが「がんばって」と、声をかけてくれたこと。もちろんみんなが心の底から言えているかは分からない。誰しも優勝したくて、負けた直後で悔しくてたまらないはずです。それでも、言葉にできるのがすごいと感じたし、そういう思いが、勝つたび自分に響いてきました。1試合1試合、良くなっていく感覚がありました。調子は良くなかったけれど、勝つときってこういうものなんでしょうか。
アジア選手権は、(国内と違って)泉谷(朋香)とのペアになります。所属が同じだから、ふだんから話はできるし、準備には困りません。
日本代表として、出させてもらうからにはポイントを取りにいくテニスがしたい。
攻めて、次につながるプレーがしたいと思います。
>>深澤昭恵インタビューの全文は10/27発売のソフトテニス・マガジン12月号に掲載
profile
ふかさわ・あきえ●1990年10月23日生まれ、静岡県出身。富士少年団(小1~)→鷹岡中→広島翔洋高→東芝姫路8年目。後衛。2012年に皇后杯優勝(/宮下愛未)。2016年は全日本社会人、国体優勝。2010年よりナショナルチーム。2016年アジア選手権日本代表メンバーに初選出された。