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プレー&コラム
2017.02.02

緊張している人は呼吸が乱れている! 呼吸を整えれば、心も整います

ソフトテニスに効くメンタルトレーニング講座Vol.2 講師◎大儀見浩介

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まず息を吸っていませんか?

試合で「緊張しすぎているな」と思ったとき、リラックス状態を作り出すためには、どうしたらいいのでしょうか。リラックスすることを、専門用語でリラクセーション、われわれは心のストレッチと呼んでいるのですが、リラクセーションのテクニックとしては呼吸法があります。

突然ですが、みなさん、ここで一度、深呼吸をしてみてください。

――ハイ、吸いましたね。深呼吸となると、9割以上の人が先に息を吸います。ですが、これはあまりよくない。というのは、試合当日、試験当日、面接当日に過緊張の人は息を吸おう吸おうとしている軽いパニック状態ですから、息を吸えと言われてもうまく吸えないんです。ひどい場合は「深呼吸しなきゃ!」と思って、過呼吸で倒れてしまいます。

深呼吸はまず息を吐き出すのが大事です。しかも口から細く長く吐き出す。スー。胃を絞る感じですね。胃の中の空気を吐き出してから(腹式呼吸)、今度は胃を広げるような形で鼻から吸うんです。胃を広げて、口からまた細く長くスーッと吐き出す。このとき、目を閉じた方がよりリラックスできます。

口で吐いたら鼻から吸う

ところで、なぜ鼻なのか。口で吸うと、口は大きくも小さくもできるので、大きく吸ってしまう場合もあります。すると、呼吸が乱れてしまう。だからこそ、一定の量を吸えるように、鼻から吸いましょう。鼻の穴を大きくできる人って、あんまりいないですからね(笑)。ゆっくり吸うことで副交感神経を優位にすれば、頭の中にアルファ波が出て、リラックスすると同時に理想的な集中力も高まります。

呼吸ってすごく大事なんです。いわゆる「緊張しい」の人は無駄な力が入って、呼吸が普段と違っている。たいていの場合、止めています。ボールを打つときには普通、呼吸を吐いているはずですが、緊張している人は、吸っているか、止めています。すると、余分な力が入ってぎこちない動きになったりするんです。甲子園で手と足がそろって行進している選手いますよね。あのぎこちない行進は、息を吸いながらやると簡単にできるんです。吐きながらやるとできません。呼吸を整えることで、心も整えることができるのです。

大儀見さんおすすめリラックスできる呼吸法

漸進的筋弛緩法(ぜんしんてききんしかんほう)

①右手にグッと力を入れて、鼻からゆっくり息を吸って止める
②口からスーと吐くと同時に力を抜く
③もう一度右手にグッと力を入れて鼻から息を吸って緊張を感じてから、スーと吐く

わざと筋肉に緊張状態をつくってから、スーと抜きます。左手も同じように2回、両肩、両足も行います。立った状態でも、座った状態でもいいですが、一番いいのは寝て行うこと。リラックスを感じ取りやすくなります。最後に2分半~3分ほど寝ると、効果アップ。これは、試合前15分~30分に行ってください。

深呼吸

①深呼吸はまず息を吐き出す
②しかも口から細く長く吐き出す
③スーーーーと、胃を絞る感じで

胃の中の空気を吐き出してから(腹式呼吸)、今度は胃を広げるような形で鼻から吸うんです。胃を広げて、口からまた細く長くスーと吐き出す。このとき、目を閉じた方がよりリラックスできます。サービスを打つときなど、ルーティン動作に深呼吸を取り入れるのもいいですね。

 

著者Profile 大儀見浩介●おおぎみ・こうすけ
東海大一中(現・東海大学付属翔洋高等学校中等部)サッカー部時代に全国優勝を経験。東海大一高ではサッカー部主将、東海大学進学後、高妻容一研究室にて応用スポーツ心理学(メンタルトレーニング)を学び、現在はスポーツだけでなく、教育、受験対策、ビジネス、社員研修など、さまざまな分野でメンタルトレーニングを指導している。2012年、メンタルトレーニングを広く伝えるために「株式会社メンタリスタ」を立ち上げる。著書に『クリスチアーノ・ロナウドはなぜ5歩下がるのか~サッカー世界一わかりやすいメンタルトレーニング』(フロムワン)、『勝つ人のメンタル~トップアスリートに学ぶ心を鍛える法』(日経プレミアシリーズ)。年間約250本の講演活動を行っている。