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“アイツ何も考えてない”な残念ペアを変える、効果的な声掛けは「どうなると思う?」

おばけ型は仲間になってくれる

ポジティブシンキング(プラス思考)に関して4つのタイプがあると紹介しました。

①おばけ型
何も考えていない。ただ部活に参加しているだけ。

②マイナス型
いつも人のせい、物のせい。自分は悪くないと責任転嫁。

③てんびん型
マイナス思考な反面、自分の考えも持っている。

④プラス型
結果よりも自分の成長や進化を考えている。

あなたやペア、チームメートはどれに当てはまりましたか。今回は4つのタイプへの対処法をご紹介します。

①おばけ型への対処法⇒とにかく興味を持たせる

とにかく興味を持たせてあげましょう。興味が湧くような声掛けをしたり、練習メニューを提案します。人は仮説や疑問を持つと、自然と惹きつけられて興味に変わり、自分で考えるようになります。おばけ型は自分で考えるように仕向けることが大切です。人に何かを考えさせたいときは、クイズやお題、質問を与えるといいでしょう。自然と頭を使うようになります。

練習で「このメニューをやるどうなると思う?」「このトレーニングを1日15分やったら、どんな変化が起きると思う?」と投げかけてみる。答えはすべて提示せず、「こうなるかも」「ああなるかも」と可能性を伝えれば、おばけ型の人はどんどん気になってくれます。

みなさん安心してください。どのチームにもおばけ型はいますが、最終的にはチームの一員になってくれます。長期間一緒にいると、彼、彼女らは「このチームはどうなっていくんだろう」と興味を持ち始め、どこまで勝ち進むか気になってくるからです。ですから、指導者の方は、すぐに結果を出させようとか、結果だけを評価してはいけないということです。

②マイナス型への対処法→ポジティブリフレイミング返し

ポジティブリグレイミング返しをしてあげましょう。マイナス型にマイナス思考であることを指摘しても何の解決にもなりません。批判に批判で返すのも絶対にダメです。

マイナス型が「あーもうマジかよ」と言うのは、自分のせいじゃなく、人や物のせいでミスが起きたと思っているから。「じゃあ、次はどういう組み立てにしようか」と考えさせる声掛けを試してください。

マイナス思考の人は、そもそも結果や評価を気にしすぎて陥っている傾向があります。結果や評価ではなく、進化やグレードアップ、長期的な展望で見るように誘導してあげましょう。

例)「今日はうまくいかなくてもいいよ、こんな日だってある。大丈夫。今日は今日できることをやろう。ここまで一生懸命やったことは裏切らない。今日で過去はすべて消されるわけじゃないから大丈夫だよ」

マイナス型の人は起きた現象の原因を外部に向けていますから、現象が起きる前のことを言ってあげるのもいいですね。結果までの努力、プラン・プロセスをほめて、認めてあげましょう。

例)「今のミスは仕方ないよ。でもその前にはこんなプレーができていたから、そっちの方が大事!」

③てんびん型への対処法→成長を考えるように

てんびん型は、結果だけを追い求めるとしんどくなり、マイナス思考に陥ってしまいます。ですが、てんびん型は大きな失敗から学び、成長や努力を考えるようになったときに、進化・発見・グレードアップが生まれるのです。てんびん型はプラス思考に変わると、自然と結果もついてきます。

④プラス型になるために

トレーニング次第でどんな人でもプラス型になれます。無理に装う必要はありませんが、演じていれば人間は3日で変われます。

局面的にポジティブ思考になろうとすると、しんどくなってしまうものです。例えば、子どもがお小遣いをもらったとして、喜ぶ→でも使ってしまった→「あーあ」となって、ポジティブ感情は下がるわけです。そんなときに「プラス思考になりなさい」と言っても、子どもには無理ですよね。プラス型になるために、人間のポジティブ感情は長期的にアップしていく必要があるのです。次回Vol.12では、ポジティブ感情をアップする習慣をご紹介します。

※次回は5月1日(月)に公開予定です。

著者Profile 大儀見浩介●おおぎみ・こうすけ
東海大一中(現・東海大学付属翔洋高等学校中等部)サッカー部時代に全国優勝を経験。東海大一高ではサッカー部主将、東海大学進学後、高妻容一研究室にて応用スポーツ心理学(メンタルトレーニング)を学び、現在はスポーツだけでなく、教育、受験対策、ビジネス、社員研修など、さまざまな分野でメンタルトレーニングを指導している。2012年、メンタルトレーニングを広く伝えるために「株式会社メンタリスタ」を立ち上げる。著書に『クリスチアーノ・ロナウドはなぜ5歩下がるのか~サッカー世界一わかりやすいメンタルトレーニング』(フロムワン)、『勝つ人のメンタル~トップアスリートに学ぶ心を鍛える法』(日経プレミアシリーズ)。年間約250本の講演活動を行っている。
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