「黙って何もしなくても、勝てるタイプではない」「自分にセンスがないと自覚している」、船水颯人は自身をそう評する。レベルアップし続けるために、多方面にアクセスし、ヒントを得ようとする努力を怠らない。他競技のトップアスリートに話を聞く、ソフトテニス界の先輩を参考にする。
ソフトテニスマガジン・ポータルでは、船水颯人の2018年ジャカルタ(JKT)アジア競技大会に向けた取り組みをインタビュー連載で追っていく。船水颯人『JKTへの道』第14回は「学ぶ」。
船水颯人/ふねみず・はやと 1997年1月24日生まれ、20歳。青森県出身。身長170㎝、右利き、後衛。黒石烏城クラブ(小1)→黒石中→東北高→早稲田大3年
同じ大学のトップアスリートに教えてもらう
――ある大会のロッカールームで本を読んでいたという話を聞きました。
読書家ではないですが、ときどき読んでいます。新幹線で移動するときとかに、少しずつ読んでいる感じです。
――多方面から刺激を受けているそうですね。
大学の授業もそうです。スポーツ科学部なので、ためになることは結構あります。ピーキング(コンディションを最高の状態に持っていくように調整すること)はまさにそう。ただ、一般論なので、各競技や各個人によっても調整法は変わってきます。そこは自分で考えて、アレンジしています。
――何からも学ぶ姿勢がありますね。
もともと僕は強い選手ではないので、レベルアップするためには何が必要かと考えないといけません。黙って何もしなくても、勝てるタイプではないので。自分にセンスがないと自覚しているから、きっと学ぼうと思うんです。
――他競技を参考にすることもありますか。
はい。同じ大学にはさまざまな競技の選手がいますから。アスリートとしての意識が高いと思うことも多々あります。食事管理から体調管理まで、いろいろ教えてもらっています。
応援されるにふさわしい態度を
――柔軟な頭を持って、他競技からもヒントを得ようと思うのはなぜですか。
どんな競技でも、アスリートとしてトップを目指している人は、意識が高いので、参考にすべきことはたくさんあります。アスリートとしての基礎体力の向上もそうです。ソフトテニスにはラグビー選手のような筋肉は必要ないですが、生かせるところもありますから。
――ソフトテニス競技をもっと盛り上げ、地位向上させたいという思いはありますか。
もちろん。日本代表にも選ばれ、立場が変わりました。見られる側になったと思っています。
――競技を背負っているという自覚を持っていますか。
はい。応援してくれる人もたくさんいます。それにふさわしい行動を取らないといけません。例えば、試合中にミスを連発しても、怒りを露わにしてラケットを投げたりしては絶対にいけない。
僕も幼い頃に大人の強い選手を見て育ってきました。コート内のプレーだけでなく、講習会などでの立ち振る舞いもそう。すべてがお手本になりました。僕もそうならないといけないなって。
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次回は6月上旬に公開予定です。