ソフトテニスマガジン・ポータル

仲間にやる気を出してもらうには、認めて、ほめて、肯定し、賛成しよう

覇気が感じられないチームへの処方箋

Q.部員のやる気を出させる方法を教えて!
(中3男子)

自分はやる気があるのに、チームに覇気がない。難しい状況ですが、やはりチームは共通の目標を持つことが大切です。しっかり話し合って、みんなで考えた共通の目標をつくっていきましょう。可能であれば、練習のメニューや工夫なども、自分たちで考えていくと、自ずと責任感が生まれてきます。

また、部員のやる気が下がっている要因として、やらされている(外発的)から、面白みがないというのも考えられます。やる気がない人にしっかりやらせる(マイナスをゼロに戻す)のは難しいですが、ゼロからプラスをつくっていけるように、面白くなる練習をみんなで考えるのもいいですね。

どうしても練習に集中できないというのなら、心理的なウォーミングアップ&心のストレッチ=リラックスから始めて、鬼ごっごやゲームを行い、楽しいという気持ちをつくってから入っていきましょう。他にも、この練習をすればこんな効果があるというプランをつくって、チーム内でプレゼンしてもいいですね。

質問者の方がバリバリ引っ張るタイプのリーダーの場合、言い過ぎてしまって、周りが引いている可能性もあります。しゃべり上手のリーダーよりも、聞き上手のリーダーになりましょう。

やる気を出させる、“みほこさん”

Q.同じ学年でジュニア出身は私だけ。5人全員でレベルアップを図るためにできるメンタルトレーニングは?
(中2女子)

未経験者のモチベーションを引き上げるには、ほめるといいでしょう。初心者がうまくできないのは当たり前ですから、うまくいった、いかないではなく、一人ひとりのチャレンジした姿勢や努力を認めて、ほめて、肯定する、賛成する。

私は頭文字を取って『みほこさん』と呼んでいます(笑)。日常生活でも、人に心を開いてほしいときに使う心理テクニックです。

Q.勉強と部活を両立させたい。
(中3男子)

学生には大事なことですね。文武両道というのは、とてもいい考え方で素晴らしい言葉だと思いますが、「えー、文も武も両方やらなきゃいけないの?」と、どちらに時間を割くべきかを天秤にかけてしまいがちです。

文武両道や、勉強と部活の両立は、一言で表すことができます。『人間的成長』です。メンタルトレーニングは、人間的成長のトレーニングです。テニスだけうまくなろうとしてメンタルトレーニングを行っても、あまり効果はありません。枝も細い、葉っぱも少ない、幹が細い木に大きな実がならないように、メンタルトレーニングを生かして、人として成長していこうと思わなければ、選手としても育たないわけです。

人として素晴らしければ、素晴らしい選手になります。そのためにも、勉強も部活も自分で目標や課題を考えて、行動していく力をつけていきましょう。

著者Profile 大儀見浩介●おおぎみ・こうすけ
東海大一中(現・東海大学付属翔洋高等学校中等部)サッカー部時代に全国優勝を経験。東海大一高ではサッカー部主将、東海大学進学後、高妻容一研究室にて応用スポーツ心理学(メンタルトレーニング)を学び、現在はスポーツだけでなく、教育、受験対策、ビジネス、社員研修など、さまざまな分野でメンタルトレーニングを指導している。2012年、メンタルトレーニングを広く伝えるために「株式会社メンタリスタ」を立ち上げる。著書に『クリスチアーノ・ロナウドはなぜ5歩下がるのか~サッカー世界一わかりやすいメンタルトレーニング』(フロムワン)、『勝つ人のメンタル~トップアスリートに学ぶ心を鍛える法』(日経プレミアシリーズ)。年間約250本の講演活動を行っている。
ソフトテニスマガジン・ポータルTOPへ
モバイルバージョンを終了