丸山海斗(明治大2年)
まるやま・かいと
1997年12月4日生まれ、19歳。左利き、前衛。
岸和田ジュニア→上宮中→上宮高→明治大2年
2017年ナショナルチーム
つかんで離す――打つたびにボールに触れる唯一のギア、ガット(別名ストリング)は、ソフトテニスプレーヤーの第2の“てのひら”とも言える。“てのひら”だけに、トップ選手はガットに対してさまざまなこだわりを持っているはず……。
これまで、あえてフィーチャーしてこなかった『ガット』について根掘り葉掘り聞いたら、ガット道は想像以上に奥深かった。WEBの短期集中連載『俺のガット論』Vol.1は、丸山海斗(明治大)。“しっくり”が大事と語る、ガットの選び方について。
“しっくり”くるものを使い続ける
――どのような基準でガット選びをするのですか?
ソフトテニスを始めてから、2種類のガットしか使ったことがないんですよ。今は、2種類目のガットを中1からずっと使い続けています。
――変えたきっかけは?
大会のときにストリングサポートのブースで張り替えてもらったときに“しっくり″きたからです。で、そのまま変わらず、今に至っています。
別のものを張るときもありますが、やはり慣れというか、“しっくり″こないというか。
――具体的に、その“しっくり″を感じるのは、どのような性能のガットになるんですか?
僕は前衛なんですけど、後衛寄りというか、反発しない方がいいんですね。球持ちがいいというのかな、狙ったコースに打ちたいのでコントロール重視というか。
僕は完璧主義というほどでもないのですが(笑)、やはり思い通りにならないとイヤなんです。だから、思い通りのコースへ打てるということが重要で。器用ではないのかもしれませんが、自分の中での“しっくり”と“慣れ″が大事なんですね!
あとは、僕のボレーは、よく「(ラケットを)振っている」と言われるのです。自分では振っているつもりはないのですが、人より大きなスイングということは確かですね。
だから、ボレーを「当てて取る」タイプのコンパクトなフォームの人には反発系が合っているのかもしれないです。僕のようにテークバックが大きいタイプには、弾くより打ちたいコースに持っていきたい気持ちが強いから後衛寄りなんでしょうね。
今は前衛用、後衛用と、ポジションに特化したガットが出ていますよね。やはり周りにいる前衛でも、弾き、反発力を追求する、前衛用のガットを使っている人がほとんどです。ただ、僕の場合は前衛用、後衛用とそれぞれに特化した商品が出る前から販売されている、今のガットがしっくりくるんです。僕にとっての定番ですね。
――丸山選手のガットの色は「赤」ですが、それにも理由があるのでしょうか。
そうですね。中1からずっと赤です。それも“しっくり″するからですね(笑)。中学生は、色のついたものを使うのはNGなチームもあると思いますが、僕の場合は、たまたま赤いガットにしたときに調子が良かった。それで、そこから赤を使い続けているわけです。
ちなみにグリップも赤です! 練習のときは違う色も使いますが、試合のときには「赤」に統一です。こだわりというか、ゲン担ぎもありますね。
追求するのは、コントロール
――ガットの張り替えは頻繁な方ですか。
それが、僕は全然切れないんですよ。でも、一般的に後衛は切れることが多いですよね。ボールを打つ回数も多いからでしょうか。
そういえば昔、チームメイトで、張り替えて2日で切れたという人もいました。僕は、大会に行ってストリングブースで張り替えてもらう感じです。大会がないときは1~2か月くらいの間隔で張り替えます。
――張り方のこだわりは?
どちらかと言えば硬い方が好みです。中学時代は35で硬すぎたので、32に変えて、それから32に落ち着きました。32がしっくりきたポイントは、コントロールしやすかったから。あまり深く考えてきませんでしたが、こうしてガットについて話していくと、やはり僕はガットにはコントロール性を求めているようです。
皆さん、それぞれに何かしらのポイントがあると思います。それも説明できないような、その人にしか分からない感覚のレベルで。だから、自分なりのしっくりが分かるといいですよね。とにかく基本、僕はしっくりきたら、その状態は「変えない」タイプです!
ナショナル前衛・丸山海斗のガット論
①後衛寄りの反発しないガットを選ぶ
②コントロール重視
③しっくりくるものをチョイス