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【張人対談・ガットを語ろう。】ガットの選択について[前衛編](廣島敦司×諸橋広信)

ガットの商品理解と張りの技術を磨き、老若男女のソフトテニスを全国でサポートする「張人(はりびと)」によるガット談義。「張る人目線」ならではの世界へ。
※このテキストは記事広告です(6回連載)

 

GOSEN 販売促進課
廣島敦司氏
1981年3月27日生まれ。大学時代にはジュニアジャパンにも選出された元トップ選手。ストリンガー歴14年

茨城県土浦市
テニスショップトップ
諸橋 広信氏
1965年5月19日生まれ。ストリンガー歴23年

太目→細目の流行は、オールラウンド化の影響も

廣島 前衛や後衛に関係なく、ガットは今、細目が主流。特に、後衛よりも、ネットプレーのようにボールを弾くプレーの多い前衛では細目が増えています。基本的に後衛は太目、前衛は細目ということで、1.35ミリが標準だったのが、最近は1.25ミリが標準に変わってきていますよね。
諸橋 10年前に比べると、ラケットの性能とともにガットの性能もよくなってきました。ラケットとガット、両方の特性を活かそうとするときに、細目が好まれる傾向があります。ネットプレーを重視する前衛にとっては、ボールを弾きやすい方がいい。そうなると細目が適している。全体なニーズが細目に寄ってきている=ソフトテニスそのものが、オールラウンドなプレーを必要としてきているのだと思います。

廣島 ユーザーさんがガットを選ばれるときのポイントは「打球感」と「耐久性」。以前はどちらか一方を重視することでガットを選択してきましたが、今は両方の「いいトコ取り」ができる時代に。この代表が「ハイブリッド」(たて糸とよこ糸に別々のガットを張る)です。それだけガットの開発は進んだし、これからも開発されていきます。

諸橋 ガットは摩擦によって消耗していきますよね。試合の中で、前衛は後衛に比べて打つ回数が少ないからか、比較的ガットが切れにくい。だから、後衛の方がガットの張り替え頻度は高いといえます。ただ、やはり3か月、いや2か月でも張り替えは必要かもしれませんね。

廣島 初級者の皆さんは、ボールが飛び過ぎるという悩みを持つ方もいます。明らかに、その人のレベルに合っていないガットを使っている場合もあるので、実際にプレーを拝見するチャンスがあると一番いいですね。例えばドライブ回転なのか、スライス回転なのか、など、ガットを選択するための情報が得られると、私たちストリンガーの目線から提案できることもあります。

諸橋 実際に張り替えにいらっしゃるとき、それぞれのお客様には要求があります。それに対応するのが私たちストリンガーの仕事。ただ、「お任せします」という方も多いですよね。そういう場合、私は最近、「オールラウンドタイプの1.25ミリゲージ」を中心におススメしていますね。

いろいろなガットを試すのも手

廣島 ソフトテニスのプレースタイルやラケットの性能など、さまざまな点から見ても、「太目から細目」の流れは変わらないでしょう。特に前衛は、より楽にボールを弾くものを求めていくはずです。ただね、最近のトップ前衛の皆さんの中には、太目でテンションも下げて柔らかめのガットを求める人もいます。これは、ガットに対して反発力よりも、ボール持ちよくコントロールを重視しているからだと思いますね。

諸橋 やはり今のソフトテニスでは、ダブルフォワードの陣形だったり、ローボレーなどをする機会が多い。ボールが弾きすぎると相手に簡単にフォローされることもある。だから、スライスで落とすなど、さらにプレーの幅を広げる必要がある。――そういうことなのでしょうね。
やはり、選手によって、ガットに対する要望は異なりますね。私たちストリンガーはコミュニケーションをとりながら、ときにはプレーを実際に拝見して、選手が納得できる解決策を見つけていく。多くの皆さんが、それぞれこだわりをお持ちですよね。――自分にとって、今のガットの状態がよいという感覚がある。だけど、ときにはいろいろなもの(ガット)を試してもらうと、よりよい感覚に出会える、見つかることもあるんですよね。

廣島 トップ選手は特にこだわりが強い。ただ、気分転換で、ガットの種類を変えてみたら、「すごくよかった」という選手もいます。ご自身の感覚が一番大切ですから、私たちストリンガーとのコミュニケーションの中でその感覚を伝えてくだされば、よりよい提案ができると思います。

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