前回に引き続き、船水颯人にインターハイについて聞く。ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ高2のインハイは団体5位。三重高との準々決勝、3番の船水(/田口将)に出番が回ってくることはなかった。高3のインハイは準優勝。決勝で高田商業高と対戦し、溝端亮二/星野慎平に0で敗れた。
ソフトテニスマガジン・ポータルでは、船水颯人の2018年ジャカルタ(JKT)アジア競技大会に向けた取り組みをインタビュー連載で追っていく。船水颯人『JKTへの道』第20回は高2、高3のインターハイを振り返る。
船水颯人/ふねみず・はやと 1997年1月24日生まれ、20歳。青森県出身。身長170㎝、右利き、後衛。黒石烏城クラブ(小1)→黒石中→東北高→早稲田大3年
本番で普段どおりにプレーできる人が強い
――前回は高校1年生のときに出場したインターハイの思い出を語ってもらいました。2、3年生のインハイで印象に残っていることは?
2年生のときの団体戦は3番手だったので、コートに立つ機会があまりなくて、印象も薄いですね。
――3番手で待っているときの心境は?
1年生のときから3番手でしたが、特に緊張したり、不安に駆られることはなかったですね。平常心を保っていました。精神状態はいたって、普通。負ければ、仕方ないと割り切っていました。
むしろ、「よし、やってやろうぜ」とならないようにしていました(笑)。やる気がなかったわけではなく、自分の良さを出すため。これが僕のスタイルです。
僕は本番で普段どおりにプレーできる人が強いと思っています。当たり前のことを当たり前にできる人が勝ちますから。もちろん、自らを奮い立たせることでパワーを出す人もいるでしょう。そこは人それぞれの準備があると思います。
星野にボコボコにされました(笑)
――3年生のときは、準優勝でした。
決勝で星野(慎平)に負けましたからね。高校時代、星野の実力は頭一つ抜けていました。いまは早稲田大でチームメートになりましたが、当時は、彼を倒せば、日本一の後衛になれると思っていたくらいです。
3年生のときは、なんとしても星野に勝ちたいと思い、相手のオーダーを見て、わざと当たりにいったんです。でも、ボコボコにされましたね(笑)。実はこちらは違うオーダーで、対戦の予定はなかったのですが、「最後だし、戦ってみたい」と思ったんです。
東北高校は生徒たちでオーダーを決めていたので、みんなと話して、星野と対戦するように組みました。後から聞いた話ですが、星野も僕をつぶしにきていたようですね(笑)。図らずも、望んだ対決が実現したわけです。
ただ、結果は周知の通り。チームが負けたのは僕の責任です。大きな大会でG0-④で負けたのは初めてでした。逆にすっきりしました。「俺の実力は、こんなもんか」って。あの敗戦があったから、大学でもっと頑張ろうと思ったんです。
※次回は7月20日に公開予定
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