7月22~29日に福島県・会津若松市で開催されたインターハイのリポートは、8月26日(土)発売のソフトテニス・マガジン10月号に掲載します(Amazonで予約はコチラ)。現在鋭意作成中です、しばしお待ちください。
発売日まで待ちきれないという方に、誌面に載せきれないコメントと写真とともにインハイを振り返ります。本日は女子団体5位・北越をフィーチャー。
「ウチは鈴木のチームですから。当てたかったです」
昨年、過去最高の5位入りを果たし、その主力・鈴木/保科、田辺、前山らが今季も活躍した北越。特に打力を誇る主将の鈴木と保科のペアはハイジャパで決勝戦まで進み、「インハイで団体、個人とも日本一を目指します」と、強い決意を語ってくれた。
しかし個人戦で鈴木/保科は、ハイジャパで勝利を収めた和歌山信愛の下江/戸根に1で敗れてしまう。そしてその翌日、団体戦8強決めで再び、北越は和歌山信愛と対戦することに。前年は4強決めで対戦し、北越が敗れたカードだ。
「実際どのようにオーダーを組んでくるかは分からないですが、僕は大将の鈴木を下江さんに当てたかった。ウチは鈴木のチームですから」と北越・津野監督。ふたを開けてみれば、北越は鈴木/保科を3番に起き、和歌山信愛も下江/浦口を3番に据えたことで、津野監督の思惑通りになった。北越が1番・水澤/田辺で、和歌山信愛が2番・松井/戸根で勝利し3番勝負へ……。前衛は異なるものの、鈴木/保科と1勝1敗となった下江との対戦が再び実現した。
「昨日負けたのがすごく悔しかったので、その負けを生かして、相手の特徴や、やられたことをやられないように、また違う戦い方で変えてできました」と鈴木が振り返ったが、結果はG④-1。リベンジを果たし、北越が2年連続の8強入りとなった。
「あと2点が、近いようで遠かった」
北越の戦いに、1年後衛・水澤の加入も大きかった。3年前衛・田辺とのペアで、和歌山信愛戦でも貴重な勝ち星を挙げており、続く準々決勝・修大附鈴峯戦でも、2面展開で先に2番のペアが笠井/奥田に敗れる中、1番・水澤/田辺はG1-3と追い込まれながらファイナルに挽回。マッチをしのぎ、⑧-6で望みをつないだ。
またも、もつれた3番勝負。北越・鈴木/保科と修大附鈴峯・吉田/森本のキャプテンペアどうしの戦いは、G2-3から北越が1G返しファイナルへ。ファイナルは吉田/森本が見る間に6-0でマッチを握ったが、ここから北越も6連続でポイントという驚きの展開となり6-6に。
そこから6-7、7-7、7-8、8-8、8-9、9-9……と修大附・吉田/森本がリードしては北越・鈴木/保科が追いすがる展開が続く。
しかし、最後は10-10から修大附鈴峯が吉田/森本の連続ポイントで⑫-10、準決勝へ。勝負が決まったとき、北越・鈴木は地面に崩れ落ち、チームは涙にくれた。
「あと2点が、近いようで遠かったです」と鈴木。「せっかく追いついたので先行すれば分からなかったですが、全部相手のマッチポイントだった。(マッチを)渡さなかった修大附鈴峯も素晴らしい」と津野監督。
表彰式で鈴木は、すっきりと切り替えた表情で語ってくれた。ファイナル0ー6マッチからの緊張感は「意外とそうでもなくて」と鈴木。準々決勝は「自分のプレーをしようと思って1点だけに集中してやれたし、絶対負けないで次につなぐからと思ってできました」(鈴木)と、納得した表情で激戦を振り返った。
熱戦でこの夏を大いに沸かせてくれた選手たち。この経験を糧に、再び粘り強い戦いを見せてくれることを期待したい。