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「パン」というボールが当たっていないような、柔らかい感覚が好き

中学まではデザイン重視で兄のお下がりのかっこいいラケットを使っていたという船水颯人。高校で自分の感覚にピンとくるラケットに出合い、それ以来、同じスペックの物を使い続けているという。

ソフトテニスマガジン・ポータルでは、船水颯人の2018年ジャカルタ(JKT)アジア競技大会に向けた取り組みをインタビュー連載で追っていく。船水颯人『JKTへの道』第23回は夏シーズンの道具のケア、ラケット選びについて。

船水颯人/ふねみず・はやと 1997年1月24日生まれ、20歳。青森県出身。身長170㎝、右利き、後衛。黒石烏城クラブ(小1)→黒石中→東北高→早稲田大3年

大会には7、8本、荷物が多くて大変(笑)

――前回に続き、夏シーズンにおける道具のケアについて聞きたいと思います。大会には何本もラケットを持っていくそうですね。

同じ種類のラケットを7、8本、持っていきますね。すべて使うわけではありませんが、備えあれば憂いなし。夏はガットの緩みは早いですし、急な雨に降られることもありますから。

大会期間中は1試合ごとに張り替えています。僕は感覚を大事にしているので、少しでも違和感があれば、ラケットを変えます。荷物が多くなって、大変なんですけどね(笑)。

――いつからラケットにこだわるようになったのですか。

中学生の頃は、兄(雄太)のお下がりを使っていました。自分で初めてしっかりとラケットを選んだのは、高校1年生になってからです。

中学時代はデザイン重視でした(笑)。兄がかっこいいモデルの物を使っていると、見た目に惹かれて「古くなったら、ちょうだいね」と言っていました。

――それが高校になり、変わったわけですね。

きっかけはひょんなことでした。あるとき、他の人のラケットを使わせてもらうと、「これは打ちやすい」とピンときました。言葉で説明するのは難しいですね。感覚が自分に合ったとしか言えません。今までにない手応えがありました。

――具体的に手応えとは?

「バン」としっかりボールが当たるような硬い感覚が好きな人もいれば、「パン」というボールが当たっていないような柔らかい感覚が好きな人もいます。僕は後者です。これだ、と思いました。

感覚は、好き嫌いが分かれますよね。いまも選手同士で、感覚の話をするんですが、僕のラケットを使えない選手もいますし、逆に僕も他人の物は使えません。

道具を言い訳の材料にはしたくないので

――他の人が持つラケットとの違いは何なのですか。

ガットも違えば、ラケットの重さなども違います。僕は「打ちやすい」と思った感覚をつかんで以降、ずっと同じスペックです。

――自分に合うラケットを見つけるのは大事ですね。

男子のパワーのある選手であれば、ラケットにあまり左右されないかもしれませんけどね。ただ、力のない選手や女子の場合は、影響が出てくると思います。

――ラケット一つで、打つボールも違ってきますか。

違いますね。僕は相手のボールを受ければ、ラケットを変えたことにも気が付きますよ。初速が早くなったり、バウンドが違ったりしますから。僕もラケットを変えるときは、ボールを受ける相手に意見を聞くんです。自分でも体感はしているのですが、確認はします。いまのショットは勢いがなかったか、球速はどうか、など。逆にチームメートがラケット選びで迷っていれば、助言します。

――道具への思いは強いですね。

こだわりは持っていますが、道具を言い訳の材料にはしたくないです。道具のせいで負けたとは絶対には言いたくありません。むしろ、一番言ってはいけないことだと思います。勝負にこだわるからこそ、少しでも良い物を使いたい、自分に合ったものを選びたいと思っています。

インカレ大学対抗で早稲田大は6連覇を達成

※次回は8月17日(木)に公開予定

>>船水颯人『JKTへの道』バックナンバーはこちら

取材・構成◎杉園昌之 タイトル写真◎阿部卓功 インカレ写真◎矢野寿明
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