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プレー&コラム
2017.09.04

試合中のイラッ、ムカッは自滅の一歩、イライラ感情と上手に付き合う方法

ソフトテニスに効くメンタルトレーニング講座Vol.29  講師◎大儀見浩介

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うまくいかなくて、イライラしてばかり。そんなんじゃソフトテニスも日常生活もいいことなし。小さな「イラッ」を受け流すトレーニングをして、イライラとの上手な付き合い方を学ぼう!

こんなはずじゃ…理想と現実のギャップでイラつく

今回は、「イライラ」のコントロール方法について考えます。試合中や練習中、日常生活でも、思い通りにいかないことがあると、ついイラッとしたり、ムカッとしたり。ところで、人間はイライラすると、どうなると思いますか。

イライラすると
・視野が狭くなる
・汗をいっぱいかく
・体力を消耗する
・疲れやすくなる
・集中力が散漫になる
・持続力がなくなる

いいことは一つもありませんね。テニスは心理戦ですから、試合中にイライラし始めたら、対戦相手に「しめしめ」と喜ばれてしまいます。知らず知らず、自滅の第一歩を踏み出しているようなものです。

人はなぜイライラするのでしょうか。イライラの原因として

・うまくできない
・人との比較
・焦り
・不安
・疲れ

などが挙げられます。要するに、いま現在の状況が、自分のイメージした通りになっていないからイライラが起こるのです。自分がイライラしているな、と感じたときは、イメージと現実のギャップを埋めていくような分析をしていきます。では、みなさんの質問を見ていきましょう。

Q.ミスしたらふてくされてしまいます。どうしたらいい?

まず、なぜミスが起こるか考えてみましょう。この質問者の場合、目標設定が高すぎる可能性があります。高すぎる目標が達成できずに、ミスが起こる。人がもっとも「いけそうだな」「やれそうだな」と感じるのは自分の能力の限界+1割、つまり110%に目標を設定したときであり、そのために小さな成功イメージをつくって、一段ずつ、階段を上がっていけばいいわけです。

そして、ミスでふてくされるということは、ミスをいけないこと、恥ずかしいこと、怒られることととらえているからではないでしょうか。ミスは、気づき、発見と考えれば、ミスへの対応も、もっと変わってくると思います。

メンタル用語『110%目標』

目標設定は高すぎると不安になり、低すぎると退屈してしまう。内発的動機付け(やる気)が最も高まるのは、目標を自分のパフォーマンス能力の限界+10%に設定したとき。これを110%目標という。例えば、中間試験で50点だった場合、期末の目標は10%増しの55点に設定する。「5点ならいける」と思えるだろう。多くの人は、いきなり100点を目標にしてしまうので、「そんなの絶対無理!」となってしまう。

著者Profile 大儀見浩介●おおぎみ・こうすけ
東海大一中(現・東海大学付属翔洋高等学校中等部)サッカー部時代に全国優勝を経験。東海大一高ではサッカー部主将、東海大学進学後、高妻容一研究室にて応用スポーツ心理学(メンタルトレーニング)を学び、現在はスポーツだけでなく、教育、受験対策、ビジネス、社員研修など、さまざまな分野でメンタルトレーニングを指導している。2012年、メンタルトレーニングを広く伝えるために「株式会社メンタリスタ」を立ち上げる。著書に『クリスチアーノ・ロナウドはなぜ5歩下がるのか~サッカー世界一わかりやすいメンタルトレーニング』(フロムワン)、『勝つ人のメンタル~トップアスリートに学ぶ心を鍛える法』(日経プレミアシリーズ)。年間約250本の講演活動を行っている。