自分の怒りパターンを知り、イライラをサラッと受け流そう
ソフトテニスに効くメンタルトレーニング講座Vol.32 講師◎大儀見浩介
うまくいかなくて、イライラしてばかり。そんなんじゃソフトテニスも日常生活もいいことなし。小さな「イラッ」を受け流すトレーニングをして、イライラとの上手な付き合い方を学ぼう!
イライラ分析シートで傾向を分析
みなさんの質問を見ていくと、イライラにもパターンがあることが分かります。自分が何に怒りを感じやすいのか、下の「イライラ分析シート」を使って、傾向と対策を考えてみましょう。
記入例(上段)
①どんなときにイライラする?→ペアのミス
②どんな行動をする?→ガクッと下を見る、マジかよと言う
③理想的な反応は?→次のプランを考える
④具体的な切り替え方は?→次につながるプラスの声掛けをする
③の理想的な反応や、④の具体的な切り替え方が分からないという人は、周りのうまい先輩や同級生、あこがれのプレーヤーを参考にしてみてください。彼、彼女だったらこうするだろうなとイメージしてみましょう。調子がいいときの自分の行動を分析するのもいいですね。
イライラ分析シートは、試合のときだけではなく、普段の練習や学校生活、家庭でも使います。記入したら、ペアと共有し、「こういうミスが起きたとき、こう対処しよう」というように、共通認識ができればいいですね。
しんどいときほど成長のチャンス
イライラのパターンは、だいたい4つに分けられます。
・過去引きずり型→ミスを引きずるタイプ
・人、物、天気のせい型→自分は悪くない、○○のせいと責任転嫁するタイプ
・マイナスイメージ形成型→イメージする力が強い反面、マイナスのイメージをたくさんつくってしまい、自滅するタイプ
・目標・課題が不明確型→人にやらされている、目標が高すぎるor低すぎるタイプ
自分がどんなことでイライラするのか、それにどう対応すべきか、見えてくるのではないでしょうか。
中高生は、試験期間中や試合の前の日などは特に、睡眠不足で疲れてイライラすることも多いと思います。しんどいときこそ、成長のチャンスととらえて、イライラをプラスのエネルギーに昇華できるといいですね。
東海大一中(現・東海大学付属翔洋高等学校中等部)サッカー部時代に全国優勝を経験。東海大一高ではサッカー部主将、東海大学進学後、高妻容一研究室にて応用スポーツ心理学(メンタルトレーニング)を学び、現在はスポーツだけでなく、教育、受験対策、ビジネス、社員研修など、さまざまな分野でメンタルトレーニングを指導している。2012年、メンタルトレーニングを広く伝えるために「株式会社メンタリスタ」を立ち上げる。著書に『クリスチアーノ・ロナウドはなぜ5歩下がるのか~サッカー世界一わかりやすいメンタルトレーニング』(フロムワン)、『勝つ人のメンタル~トップアスリートに学ぶ心を鍛える法』(日経プレミアシリーズ)。年間約250本の講演活動を行っている。