今治市営スポーツパークテニスコートで行なわれている第72回国民体育大会「愛顔(えがお)つなぐ えひめ国体」のソフトテニス競技・少年。初日の8日、少年女子で地元の愛媛が、大阪との1回戦に臨んだ。
コートを取り囲んだ大応援団の声援の中、1番のダブルスで登場したのは濱田紗代美(済美高)/瀬戸彩葉(今治北高)。惜しくもG2-④で敗れたものの、苦しい状況でも笑顔を忘れず戦い抜いた。2番のシングルス、3番のダブルスも敗れてチームも敗退となったが、学校の垣根を超えたペアで地元の期待を背に戦い、貴重な経験を積んだ2人に話を聞いた。
これまでの人生で一番のイベント!
――大声援を受けて1番で登場しました。緊張しましたか?
濱田 最初は少し緊張したんですけど、試合の途中に観客席を見たとき、愛媛の応援のみんながいたので、少し緊張がほぐれました。そこからは少し前向きなテニスができたと思います。
瀬戸 私は全然、緊張しませんでした。2年前に国体に出場したときは、少人数の応援団でしたが、試合前の入場で歩いているときも緊張していたんです。でも今回は歩いていても楽しくて、試合中もいろいろな話ができたし、周りも見えました。(観客席の)誰かを探したり、誰かの声を聞く余裕がありました。結果には満足していませんが、楽しかったです。
――違う学校の選手でペアを組むことで、意識していたことは?
濱田 中学・高校が別ですが、もともと一緒のジュニアで、仲が良かったんです。国体の練習でたくさん話をして、コミュニケーションを取っていました。
瀬戸 県内の試合では一番のライバルで、対戦するのが嫌な選手です。ペアを組ませてもらえるようになってから、自分が試合中に弱気になったとき、しょうもないギャグを言ってきたり(笑)、すごく強気なんですよ。たくさん引っ張ってくれて、私はついていく、という感じで、頼れる後衛でした。
――試合前から、他のメンバーも含めて笑顔が絶えないのが印象的でした。
濱田 自分は時々、笑顔になれないときもあったんです。でも瀬戸さんが「観客席を見て」とか「笑顔、笑顔!」と言ってくれたので、笑顔でいることができました。
瀬戸 自分は最初からずっと楽しかったので、自然な笑顔ができていたと思います。
――これまでの国体の強化活動で、思い出に残っていることは?
濱田 ジュニア時代から愛媛国体を目指すと言われていて、でも当時はよく分かっていませんでしたが、だんだん舞台の大きさを実感するようになりました。遠征に行ったときに、みんなで個性を出して…。
瀬戸 ふざけ過ぎて、怒られたりしたよね(笑)。
濱田 そうそう(笑)。怒られたりもしましたけど、国体の練習に行くのが楽しみで、試合をしているときも楽しかった。このチームで活動できてよかったです。
瀬戸 県内の大会で唯一、チーム愛媛で出場できる大会がありました。そこに、今回勝っていれば2回戦で対戦していた広島とか、強い相手に来てもらって試合をしましたが、去年と今年は広島に決勝で勝ったんです。今までやってきたことが少しずつ形になっていったのが、すごくうれしくて。ソフトテニスが嫌になりそうなときも、国体練習があるときは、みんなに会えるのがうれしくて、週末が楽しみでした。みんなに支えられて、やってくることができました。
――楽しかったですか?
濱田 一生の思い出になりました!
瀬戸 これまでの人生で一番のイベントでした!