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「どうせネガティブなので…」な人は、プラス思考&マイナス思考を目盛で考えよう

ボロ負けして悔しい、ケンカして泣いた。部活をやっているとつらいことがたくさんある。不安や恐れなど、湧き上がってくるマイナスの感情とどう付き合うべきか。

プラスの目盛は、ちょっとした工夫で増やせる

プラス思考について、こんな質問が来ています。

Q.プラス思考をしようと、無理をして、逆効果になってしまう。

質問者の方は、マイナスにいっていることをプラスにしようとして、うまくいかないのではないでしょうか。

僕は本当は、マイナス思考という言葉が好きではないんです。プラス思考とマイナス思考、その2つしかないという考え方だから。マイナス思考になっているときは、プラスの感情やイメージが少し低下したと考えるべきなんです。

プラス思考には目盛があって、例えば+5から突然-5に落ちるわけじゃない。+5から±0に落ちるときもあれば、+5から+4のときもある。目盛を1つ落としただけでマイナス思考ととらえる人がいますが、ポジティブなイメージが1目盛ぶん減ったな、ポジティブな感情が少し下がったなととらえてほしいんです。

プラス思考の目盛は、ポジティブなイメージや、ちょっとした工夫で増やすことができます。スマイルもいいですね。ちょっと低下したから、またちょっとずつ上げていこう、となればいいわけです。

質問者の方は、頭の中に目盛を持つだけでも、だいぶ楽になると思います。あなたの周りの「どうせ私はマイナス思考なんです」という言い方をする人に対しては、「いや、そんなことないでしょう。ちょっとマイナスのイメージが増えているだけ」と言ってあげてみてくださいね。

トップアスリートにもマイナス感情はある

マイナスイメージが増えて、ポジティブな感情が少なくなることは『誰にでもある』ことなんです。トップアスリートも例外ではありません。

そういうときは、無理してポジティブな言葉を使ったり、いきなり大きなギャップを埋めようとして不自然な思考をすると、負のスパイラルに落ち込んでいってしまいます。一番大切なのは、自分のペースで目盛を積み上げていくことです。

スポーツ心理学の橋本公雄教授(熊本学園大)が毎日走るランナーを調査したところ、走り続けられる人たちは自分のペースとフォームを持っていたことが分かりました。ポジティブな日も、ネガティブな日も、自分なりに心地よいと感じるペースや走り方を、知っていたから続けられているというのです。

プラス思考においても、無理に自分を世間の「これがポジティブ!」というものに当てはめようとするのではなく、自分なりのペース、やり方で工夫してみてください。

イライラや不安など、いろいろな感情との向き合い方を解説してきましたが、あなたの喜怒哀楽の感情は、モチベーションにも関わってきます。やらされている状態だと、うまくいってもうれしくないし、ミスしても悔しくない。自分からうまくなりたいと思ってやっていれば、勝ったら喜びたくなり、負けたら悔しくなるはずです。ソフトテニスを好きで始めたのだから、やらされるのではなく、ソフトテニスの面白さを感じてほしいと思います。

 

著者Profile 大儀見浩介●おおぎみ・こうすけ
東海大一中(現・東海大学付属翔洋高等学校中等部)サッカー部時代に全国優勝を経験。東海大一高ではサッカー部主将、東海大学進学後、高妻容一研究室にて応用スポーツ心理学(メンタルトレーニング)を学び、現在はスポーツだけでなく、教育、受験対策、ビジネス、社員研修など、さまざまな分野でメンタルトレーニングを指導している。2012年、メンタルトレーニングを広く伝えるために「株式会社メンタリスタ」を立ち上げる。著書に『クリスチアーノ・ロナウドはなぜ5歩下がるのか~サッカー世界一わかりやすいメンタルトレーニング』(フロムワン)、『勝つ人のメンタル~トップアスリートに学ぶ心を鍛える法』(日経プレミアシリーズ)。年間約250本の講演活動を行っている。
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