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【林田リコ&宮下こころ】ペア結成のきっかけは氷のう「リコちゃんと日本一になりたい! 一緒に文大に行かない?」と手紙が Vol.4

インターハイで団体&個人連覇、国体連覇の偉業を成し遂げた文大杉並高。最高学年のエースペアとして連覇チームを牽引し、10月の皇后杯で67年ぶりの高校生女王に輝いた林田リコ/宮下こころの対談インタビューを掲載。

第4回は『林田/宮下ペア』について。ペア結成は林田が借りた氷のうを送り返したときに宮下から手紙がきたことがきっかけだった。平和主義でケンカはしないなど、日本一ペアはお互いをリスペクトし合っていて、とってもいい雰囲気!

林田リコ(文大杉並高3年)
はやしだ・りこ◎1999年9月27日生まれ。東京都出身。身長165cm、右利き、後衛。向原ジュニア(小3)→杉戸広島中。2017年ナショナルチーム。

宮下こころ(文大杉並高3年)
みやした・こころ◎2000年2月22日生まれ。石川県出身。身長162cm、右利き、前衛。とりやクラブ(小2)→中能登中。2017年全日本U-17。

もしかしたら宮下さんと組めるかも!(林田)

――今回は『林田/宮下』とは、どういうペアなのか、掘り下げていきたいと思います! まずは、お互いの呼び方と、初めて会ったときはいつだったのかとか?

林田 私は昔、「こころちゃん」と呼んでいました。ただ、今は部則でコート内では「こころ」と呼んでいます!

宮下 私も同じでコート外では、「リコちゃん」と呼んでいます。

林田 U-14の合宿のときに初めて会ったのですが、話もしていなかったよね。

宮下 そうそう、全然話さなかった。お互いの存在が記憶にないくらい(笑)。

林田 それが…(笑)。何度目かのU-14合宿で氷のうを持っていかなくてはいけないときがあって、私は忘れちゃったんです。こころは2つ持ってきていて、1つ貸してくれたんですよ。その氷のうを洗って返そうと思い、家に持って帰って、お礼の品と一緒に送ったんです。そうしたら、手紙が返ってきて…。

「私は姉(真緒:現明治大1年)のいる文大に行こうと思っているんだけど、リコちゃんと日本一になりたい! 一緒に行かない?」って書いてあったんです。ちょうど、私が進学先を迷っていたときだったので、これで決めました! 「もしかしたら、宮下(こころ)さんと組めるかも!」って思って(笑)。

宮下 氷のうからの偶然がつながったんだよね(笑)。高校で日本一になりたくて、リコちゃんみたいな強い選手と一緒にテニスができたらなって思っていたんだよね。

林田が杉戸広島中2年、宮下が中能登中2年時に参加したジュニアジャパンカップで。このときはまだお互いの存在を意識していなかった。翌年、2人はU-14に選出される

リコちゃんは人間力があるので、私も見習わないと(宮下)

――とても強いおふたりですが、とってもほっこりするエピソード。素敵ですね! では、お互いのことをどう思っているのか、教えてください!

林田 基本的に、のんびり、けっこうマイペース。ごはん食べるの遅いとか(笑)。

宮下 あははっ。リコちゃんは最初のイメージでは、テニスが上手でスキなしって感じで、弱点ないなと思っていました。でも、チームメートになって、優しいし、いつもニコニコしているいい子だなって思いました。

――テニスをしていないときのおふたりは、結構「おっとり、ほのぼの」していますよね。ちなみに、ケンカはしたことないんですか?

宮下 3年弱の間、ケンカはないですね。あっ、ケンカではないのですが、リコちゃんの口グセが「あ~、眠い」だったんですね。それを聞くと、「疲れているのかな?」と気になっていて。

林田 あ、そうなんです(苦笑)。コートに入っていても眠いときがあって…。お昼ごはんのあととかも、「眠いんだけど」と言ってしまったり。

ある日、なかなか勝てなかったとき、2人でミーティングをして「作戦を立てよう」ということになったんです。そのとき、こころから「試合中に眠いと言われると、集中していないのかなと思ってしまうから、やめてくれる?」と言われたんです。それ以降は、言わないように(苦笑)。

宮下 そうだったね。でも、基本的に私たち2人は平和主義です! 何かあると、「ごめんね」「ごめんね」とお互いが言っています。

林田 そうなんです! お互いにリスペクトしています!

宮下 高校に入って、リコちゃんは人間力があるので、私も見習わないといけないと思っていました。文大のチーム自体もそうでしたし、私も、ひとりの人間として成長しないといけない、変わらなくちゃと思っています。

林田 プレーの面でも、こころは本番で私が「やばい、どうしよう!」と思うところで、ポーチに行ったりして、やってくれるんです! いつも「ありがたい!!!」って思っています。

宮下 私は、リコちゃんがペアなので、自分のことだけに集中できます。ミスがないし、私が抜かれてもカバーしてくれる。さらに、前に出てのプレーも上手で。私とポジションの入れ替わりもできますし、そのタイミングも今では分かってきました。

「林田リコ&宮下こころ対談」
Vol.1頭が真っ白になった選抜での敗戦「ひとりじゃなくて、2人で背負う」
Vol.2インハイ個人決勝を前に林田の足に異変「これで棄権したら人生終わり」だと…
Vol.3インハイ連覇への道「サービス&レシーブをしっかり」「男子の映像で勉強」
Vol.4ペア結成のきっかけは氷のう「リコちゃんと日本一になりたい! 一緒に文大に行かない?」
Vol.5日本一高校生はK-POPと大谷翔平が好き「男子だったら甲子園に行きたかった」

☆ソフトテニス・マガジン12月号に林田リコ選手が登場する『文大杉並のスピードテニスに学べ! 個性を生かすフォアハンド・パワーアップ術』、宮下こころ選手の『My Bag,My Buddy』を掲載しています。詳細はこちら

取材・構成◎八木陽子 写真◎阿部卓功(タイトル)、上野弘明(ジュニアジャパンカップ)
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