前回に続き、全日本選手権の話を。今回は67年ぶりの高校生女王となった林田リコ/宮下こころ(文大杉並高)について聞いた。船水颯人の「目」から見た林田/宮下のすごさとは?
ソフトテニスマガジン・ポータルでは、船水颯人の2018年ジャカルタ(JKT・ソフトテニス競技はパレンバンで開催)アジア競技大会に向けた取り組みをインタビュー連載で追っていく。船水颯人『JKTへの道』第33回は全日本選手権について。
船水颯人/ふねみず・はやと 1997年1月24日生まれ、20歳。青森県出身。身長170㎝、右利き、後衛。黒石烏城クラブ(小1)→黒石中→東北高→早稲田大3年
僕は全く手が届かなかった。偉業です
――今回の皇后杯では、林田リコ/宮下こころ(文大杉並高)ペアが、67年ぶりに高校生チャンピオンになりました。
すごいことでよすね。僕の高校時代は、全く手が届きませんでしたから。女子と男子とは違うとはいえ、偉業には変わりありません。
――驚きでしたか?
うーん。僕は、「まさか」という驚きはなかったです。林田リコちゃんが、強いのは知っていました。8月のコリアカップも一緒に行きましたし、僕が高校3年生の頃にも世界ジュニア(インド)に一緒に出ているんです。当時はまだ中学生でしたが、すでに強かったので。当然ですが、当時に比べては段違いに強くなってます。
宮下さんが前衛の仕事をこなしたからこそ
――林田リコ選手の強さは船水選手も認めるところですが、ほかの選手と何が違うのでしょうか。
「球の質」でしょうね。キレが違います。ただ速いだけではなく、球に躍動感とキレがあるんです。言葉で説明するのは難しいのですが、「ボン」ではなく、「シュッ」という感じ。僕よりボールのスピード速いんじゃないですかね(笑)。これで、分かりますか?
――うーん(笑)。なんとなくですね。もう少し具体的に言うと?
例えになりますが、相手コートに突き刺さるようなボールなんです。打つときのボールのタッチ(感覚)がいいんでしょうね。僕も教えて欲しいくらいです。
――皇后杯では林田選手のショットが決まっていました。
あのリコちゃんのショットが生きたのも、宮下さんが相手にプレッシャーをかけ、しっかりと前衛の役割を果たしていたからだと思います。2人とも要所での勝負強さがあるなと感じました。追い込まれても攻められるだけのメンタルと技術はすごいと思いました。また、みんな鋭いショットだけに目がいきますが、前衛の技術も高かったと思います。
――よく見ていますね。
僕は早く(ベスト8で)負けましたから(笑)。女子と男子ではスピードなども違いますが、見て勉強になるところもあります。女子はロビング展開になることが多いので、そのとき、いかにポイントを取るのかなど、今後の参考になればと。
――何事からも学べるのですね。
何かしらはありますね。僕は技術を含めまだまだ未熟なので、もっともっと強くなりたい。それだけです。
※次回は12月1日に公開予定