第18回アジア競技大会日本代表予選会は、来年4月14&15日に開催される。冬のオフ、インドア大会を挟み、ソフトテニスではプレシーズンにあたる時期に、ハードコートで行われるシングルスの大会。どうコンディションをつくっていくのか。
ソフトテニスマガジン・ポータルでは、船水颯人の2018年ジャカルタ(JKT・ソフトテニス競技はパレンバンで開催)アジア競技大会に向けた取り組みをインタビュー連載で追っていく。船水颯人『JKTへの道』第35回は日本代表予選会への準備について。
船水颯人/ふねみず・はやと 1997年1月24日生まれ、20歳。青森県出身。身長170㎝、右利き、後衛。黒石烏城クラブ(小1)→黒石中→東北高→早稲田大3年
ラリーが長くなるので、体力と精度を上げる
――前回に続き、来年4月のアジア競技大会代表予選会を見据えた話を聞きたいと思います。前回はハードコート対策として、「滑る」技術について話しました。ほかにも気をつけたいことはありますか。
ハードコートはラリーが長くなるので、スタミナがより求められます。体力はつけないといけませんね。僕はただ走るだけでなく、実戦トレーニングのなかで、体力をつけるようにしています。無理はしませんが、しんどいところで、もうひと踏ん張りしたり、意識して練習しています。
――シングルスに向けての準備はしていますか。
ショットの精度を上げることですね。先ほども言いましたが、ラリーが長くなるので、どれだけピンポイントで際どいコースを狙えるかどうか。いまも、そこは練習中です。
――予選会は来年4月に行われますが、この冬から取り組もうとしていることはありますか。
オフは取りますが、休み方を考えないといけません。コンディションを落とさないように気をつけたいと思っています。僕はキャリアがまだ浅いですし、コンディションを調整するのは簡単ではありませんから。
――休み方を考えるとは?
身体のコンディションをなるべくキープできるように気をつけたいですね。食事やウエイトコントロールも意識して過ごしたいと思います。二度とないかもしれないチャンスです。万全の準備をして迎えたいと思います。ほかの国際大会ももちろんですが、それ以上にアジア競技大会に懸ける思いは強いです。大学に入ってから、積み上げてきたものがあるので、すべて出したいと思います。
プレッシャーを感じすぎないように
――アジア競技大会のソフトテニス男子個人で金メダルを獲得した選手は、いまだいません。注)公開競技として開催された1990年大会で上松/大橋が男子ダブルスで金メダルを獲得している
2006年ドーハ大会の団体戦で金メダルを取りましたが、シングルスではないですよね。その事実は、もちろん知っています。金メダルは欲しいですよ。でも、まずは日本代表に選ばれないと。いまは先のことより、そこしか見えていません。僕は春先、試合に出ておらず、今季はそこまでの結果を残していない。ケガをしたことに対しては後悔はしてないです。インドアの大会も続きますが、結果にこだわりながらも、フレッシュな気持ちで新シーズンに臨みたいです。
――結果を出す自信はありますか。
なんとか自力で1枠の代表権を獲れるように頑張りたいです。あとは、動きや戦術のイメージと実際のプレーをリンクさせて、プレーできればと思ってます。10月の天皇杯では「勝たないといけない」という気持ちが強すぎた。良い状態だっただけに「この大会はいける」という自信があったんです。ただ、ランキングにも入っていなかったので、「やばい」という気持ちはありました。
プレッシャーやさまざまな状況でも力に変えてプレーできるタフさを身につけていきたいですね。4月までの残り時間は限られています。最大限の準備をしていきたいです。
※次回は12月下旬に公開予定
取材・構成◎杉園昌之 タイトル写真◎阿部卓功