武市は「みんなのために」の気持ちで日本一
三重県伊勢市で行われている『第29回都道府県対抗全日本中学生ソフトテニス大会』は、28日が最終日。伊勢市市営庭球場では男子個人戦が行われ、前日の女子と同じくシングルスは96人、ダブルスは144ペアが参加して春の日本一を争った。
シングルス決勝では、2018年度U-14の武市大輝(山口・下松中)と、佐藤優光(山形・酒田第六中)が対戦。第1Gを取った佐藤が第2Gも3-0として優位に進めたが、ここから武市が5連続ポイントと巻き返してG1-1とすると、勢いに乗って続く3Gも連取し、G④-1で頂点に立った。
武市は「緊張していて調子が上がらなかった」と振り返る初戦の2回戦でも、上村純也(埼玉・松山中)に計3回のマッチを握られるなど大苦戦を強いられたが、これをしのいで勝ち上がってからは徐々に本領を発揮。山口の永茂文彦監督が「武市は今回、『みんなのために勝ちたい』『チームのために勝ちたい』という思いがすごく強く、これまでとは思いが違っていた」と語った気持ちの強さをプレーで表現し、見事に日本一に輝いた。
団体準Vの悔しさをバネにダブルスを制す
ダブルスは、野田楓麿/永江孝二郎(福岡・高田中)と、菅野晃太朗/工藤陽光也(神奈川・領家中)の顔合わせとなった。第1G、第2Gとも菅野組が先行したものの、野田組がいずれもデュースの末に取り、第3Gも取ってG3-0。菅野組も第4Gを取って粘ったが、第5Gを取った野田組が優勝を果たした。
それぞれ別の選手とペアを組んで臨んだ前日の団体戦では、決勝で群馬に敗れて準優勝。「決勝で敗れるという、一番悔しい思いをした」(永江)という。その思いを個人戦にぶつけた2018年度U-14ペアが、雪辱の目標に掲げていた日本一を勝ち取った。
都道府県全中男子シングルス
優勝:武市大輝(山口・下松中)
2位:佐藤優光(山形・酒田第六中)
3位:住吉 佑希斗(静岡・富士川第一中) 、松本 翔太(東京・清明学園中)
都道府県全中男子ダブルス
優勝:野田楓麿/永江孝二郎(福岡・高田中)
2位:菅野晃太朗/工藤陽光也(神奈川・領家中)
3位:松田浩志/松本七海(山口・川下中)
高橋海斗/黒坂卓矢(埼玉・芝東中)
取材・文・写真◎石倉利英