羽黒は波乱と崖っぷちを辛くも凌ぐ
『第43回全日本高校選抜ソフトテニス大会』は、3月29日、2日目の競技を行い、男女ともベスト8が出そろった。
男子は、ドローの四つ角に座った上位シード勢が順当に8強入りしたが、トップ2シードは苦しい試合を強いられた。
第1シードの羽黒は、朝一番の2回戦でいきなり大将ペアの根本拓哉/齋藤龍二が敗れる波乱の立ち上がり。続く旭笑/齋藤大樹、澤田吉広/荒木駿が勝利し、3回戦へ進んだが、横浜創英(神奈川)との3回戦も崖っぷちまで追い込まれた。
オーダーを替え、1番・旭/齊藤大としたが、またしても1番を落として黒星発進。2番の根本/齋藤龍が勝利したものの、3番の澤田/荒木はファイナルでマッチポイントを握られる。最後はファイナル⑧-6とし、辛くも8強入りを決めたが、最後まで苦しい展開だった。
羽黒の白幡光監督は、「選手たちのプレーは悪くなかったが、相手に向かってこられた」と振り返り、「勝つときは、こういう競る展開が必ずある。去年のチームに比べて力はついているが、勢いがまだない。チャレンジャーの気持ちを思い出して、思いきりやっていきたい」と、明日の最終日に向けて、あらためて気を引き締めた。
「泥くさくても、勝てたことに意味がある」東北・水木主将
第2シードの東北も3回戦で苦しんだ。岡山理大附(岡山)に対し、1番の水木瑠/福田成海が勝利も、2番の北野亮介/鈴木竜弥がG3-2からの逆転負け。
完全に流れを失う重い空気が漂ったが、3番勝負では、ダブルフォワードの小倉輝/檜山遥斗がミスを恐れずに、何度もスマッシュを打つ中から、流れを引き寄せていった。小倉/檜山は、G④-2で勝利。2014年以来の優勝をめざす東北も、希望を明日につなげた。
「ここで負けてしまったら、自分たちの力の半分も見せずに終わってしまうところだった。緊張というよりも、力んでしまってミスが出た」とチーム全体のプレーを反省したのは、東北の水木キャプテン。「泥くさくても、今日は勝てたことに意味があったと思う。勝てたことで、明日につながる」と、辛勝に安堵の笑顔を見せた。
高田商業、上宮は2本が安泰
一方、高田商業(奈良)、上宮(大阪)の勝ち上がりは隙(すき)がなかった。
3回戦、高田商業は高岡商業(富山)に対し、1番・花岡忠寿/伊藤瑞哉、2番・中別府凌/林湧太郎の2勝で早々に8強入り。
また、上宮は2回戦でつるぎ(徳島)、3回戦でとわの森三愛(北海道)を下して、準々決勝に進んだ。いずれも1番・中西夏輝/田中駿平、2番・吉川大貴/山中柊冴の2本が力を発揮した。
そのほか、松江工業(島根)、田村(福島)、中京(岐阜)、尽誠学園(香川)が8強入りし、明日の準々決勝に臨む。
男子29日結果
●2回戦
羽黒 ②-1 網干
横浜創英 ②-1 岡崎城西
上宮 ②-1 つるぎ
高田商業 ③-0 岩手
東北 ③-0 金津
●3回戦
羽黒 ②-1 横浜創英
松江工業 ②-1 大牟田
田村 ②-1 鹿児島商業
上宮 ②-0 とわの森三愛
高田商業 ②-0 高岡商業
中京 ②-1 駒澤大
尽誠学園 ②-0 市尼崎
東北 ②-1 岡山理大附
男子30日対戦カード(決勝まで)
●準々決勝
羽黒×松江工業
田村×上宮
高田商業×中京
尽誠学園×東北
取材・文◎田辺由紀子 写真◎宮原和也