まぐれで8本ではなく、常に上位に食い込めるチームに
明豊(大分)、白鷗大足利(栃木)を破り、チーム史上初めて全日本高校選抜大会でベスト8入りを果たした鶯谷(岐阜)。30日に行われた準々決勝では第1シードの三重に②-0で敗れたものの、新3年生2人、週の練習は14時間という環境での全国トップ8入りは、胸を張れる結果だ。藤盛洋樹監督も「いい経験になりました」と笑顔を見せた。
鶯谷・藤盛洋樹監督コメント
――初の選抜ベスト8を戦った感想はいかがでしたか。
「今までインターハイや国体ではあったのですが、選抜のベスト8は初。1年生主体の修行中のようなチームですから、この結果はよかったと思います。ただ、相手が同じ東海ブロックの三重高さんということで、ある程度知っているぶん、飲み込まれちゃいましたね」
――試合前はどういう展開をイメージされていたのでしょう。
「8本に入った段階で、当たって砕けろみたいな感じで。オーダーも昨日は一か八かで組み直してうまくいったのですが、今日は経験させようと思って元に戻しました。選手たちがそれをどう受け止めてくれるかに期待しています」
――週の練習時間が14時間というのは、全国ベスト8レベルではかなり少ない。その環境でこれだけの成績をおさめられたのは立派です。
「勉強が中心の学校なので、なかなか練習時間がとれないんですけど、そういう中でも好きでやってくれているんで。それが一番です。できるだけ考えて、短時間でも中身の濃い練習をしようとは言っています」
――同じような環境で活動している全国各地のチームにとっても、励みになる結果だと思います。
「私もそういうチーム、いろいろな先生方の指導を見てきて、自分たちもがんばったら何とかなるんじゃないかと思ってやってきました。ただ、まだまだ全国区のチームではありません。これを続けるのが難しい。まぐれで8本ではなく、常に上位に食い込めるチームになりたいと思っています」
――今年のチームの特徴は。
「伸びしろがある子が多いですね。若くて経験がないので、いろいろな経験を積ませて、先輩たちが叶えられなかった夢を、この子らで叶えさせてあげたいと思っています」
――そういう意味では、ベスト8の舞台で前年度王者と戦えたことは大きな財産になる。
「そう思います。自分たちの力のなさも分かっただろうし、逆にこうやっていけば何とかなるというのも、つかんでくれればいいな、と」
――部員10人中新3年生は2人だけで、そのひとりである髙木このみキャプテンが今大会は一度もメンバーに入ることができませんでした。
「2月末に体育の授業で足首の靭帯をケガしたんです。走ったりはできるんですが、インドアでやってまたケガをしたら困るので、インターハイ予選に向けて休ませました。かわいそうでしたが、ケガをしたくてしたわけじゃないし、一生懸命やった結果のケガですから、仕方がないですね」
――インターハイに向けての抱負を。
「厳しいですよ。やってみなければ分からないし、何とか出たいと思っています。会場の鈴鹿はいつもお世話になっているコートで、距離はすごく近いんですけど、そこに至るまでの道のりは遠い(笑)。これからです」
文◎直江光信 写真◎宮原和也