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2018.04.05

カンボジアナショナルチームコーチの荻原雅斗さん「ソフトテニスを広めたい!」

ソフトテニス界の気になる人インタビュー

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 カンボジアのソフトテニスナショナルチームでヘッドコーチを務めている荻原雅斗さん。

 東北高と中京大時代に三度の日本一を経験したバリバリのプレーヤーだった彼は、大学卒業と同時に単身でカンボジアへ渡り、ソフトテニスの海外普及に奮闘中。そもそもどうしてカンボジアへ? 海外普及はどうなっているの? 荻原さんを直撃しました。

荻原雅斗/おぎわら・まさと 1990年7月1日生まれ。岐阜県多治見市出身。Global Grow Cambodia 代表取締役社長。青年実業家。 東北高→中京大→カンボジア。ソフトテニスを12年間続け、学生時代に三度の日本一を獲得。現在はカンボジアソフトテニスナショナルチームのヘッドコーチとして活動中。また、教育(スポーツ・音楽・文化交流)という軸でさまざまなプロジェクトの構築を行っている

 

職業は”ブロガー”

——なぜカンボジアへ?

 きっかけは、高校時代の親友からの電話でした。カンボジアで仕事をしていた彼が「面白いから来いよ」と。

 最初は断っていましたが、何度か誘われるうちに興味が湧いてきたんです。電話をもらって2か月後には、カンボジアへ行くことを決めました。

 苦労は買ってでもしたいと考え、日本で働く以上に大変な海外の道を選んだんです。

——カンボジアではどんな仕事を?

 2013年3月にカンボジアへ渡り、最初は親友の会社で飲食関係の仕事をして、2014年4月に独立しました。

 日本とカンボジアの架け橋になりたいと思い、現地法人を立ち上げたんです。僕の地元、岐阜県の海外展開アドバイザーのカンボジア窓口をやっています。日系企業のカンボジア進出支援や、大学生へ向けたスタディツアーの企画です。

 日本帰国時には、中高生や大学生向けに、講演活動もしています。

 他にもいろいろなことをやっていて、ブログやYouTubeの配信も。よく「結局、何をやっている人ですか?」と聞かれるのですが(笑)、細かい事業の話をすると理解してもらえないこともあるので、“ブロガー”と言っています。

日本帰国時には、中高大学生への講演活動も行なっている

——カンボジアでソフトテニスに関わるようになったきっかけは?

 『FIERD OF ZERO』という活動も行なっていて。カンボジアでスポーツ教育を促進し、部活動としてのソフトテニスを広めていく活動です。

 この活動の一環としてテニスコートを作ったときに、カンボジアソフトテニス連盟を紹介されました。

——それでいきなりナショナルチームのヘッドコーチに?

 そうです(笑)。カンボジア連盟の発足は2014年で、僕に依頼があったときは、まだ動き始めたばかりのタイミングでした。

 ちょうど僕も独立したばかりで時間があったので、引き受けたんです。といっても、ソフトテニスの活動はすべてボランティアです。

『FIERD OF ZERO』の活動で、カンボジアで一番貧しい農村にテニスコートを作った

——ボランティアでも続ける理由は?

 カンボジアでソフトテニスは、すごく可能性があると思うんですよね。日本で戦後にソフトテニスを含めたスポーツが急速に発展したのと同じように、20数年前に内戦を終えたカンボジアでも、ソフトテニスが普及してきています。

 ソフトテニスと教育が一緒に普及すれば、日本では当たり前の部活動をカンボジアに根付かせることもできると思うんです。

 部活動は、子供たちに仲間の大切さや規律を教えられます。スポーツ教育になるんです。

——具体的にどんな活動を?

 最近は、公立学校の土地を使ってテニスコートを作りました。

 公立の学校の土地を使うなんて、これまでは考えられなかったことです。カンボジアに来たころより、僕ができることが増えてきたと感じています。

 まだまだソフトテニス人口は少ないですが、この先、どんどん普及していってほしいですね。

カンボジアチームに指導

カンボジアへ来て早6年目。すっかり日焼けした顔は現地人に間違えられることもあるという

国際大会初メダルで凱旋帰国

——カンボジアのナショナルチームは、2016年にマレーシアで行われた国際大会で初のメダルを獲得されたそうです。

 10か国が参加したといっても、日本選手団は代表でなかったり…。いろいろな条件が重なった結果ではありますが、国別対抗戦で2位、個人ダブルスでも4ペア(1ペアはモンゴル人とのペア)が3位入賞を果たしました。

 カンボジアでは、東南アジアの大会でメダルを獲得したということは、ビックニュースなんです。空港にメディアが駆けつけ、凱旋帰国として報道されました。日本では考えられませんよね。

 発展途上国のカンボジアの選手が国際大会でメダルを取れる競技はそう多くありませんが、ソフトテニスにはまだチャンスがある。そういった点でも、注目度が高まっています。

——とはいえ、厳しい現実も…。

 「非オリンピック種目」のソフトテニスに対する国の期待は小さく、国際大会でメダルを獲得することができなければ、国の活動予算が削られてしまう可能性があります。

 予算が削られると、選手の生活を保障できなくなってしまいます。今年の夏、インドネシアで行われるアジア競技大会に向けて、メダルが獲得できない、メダル獲得への努力が示せない競技は、厳しい目が向けられるでしょう。

 カンボジアチームが日本でレベルアップする機会が設けられたらと、日本でトレーニング合宿を考えています。カンボジアオリンピック委員会へ対しても努力のアピールになりますし。そのため、クラウドファンディングを立ち上げました。

 最初の目標金額に届いたのですが、カンボジア代表メンバー全員を日本へ連れて行くために、目標金額を上方修正しました。ヘッドコーチの立場としても、メンバー全員を連れていきたいと思っています。

――荻原さんといえば、YouTubeでの活動も。

 国際試合の配信や、ソフトテニスの普及活動を行っているメンバーで『よるてに』という番組も配信しています。『よるてに』は中高生でも楽しめるソフトテニストークを心がけつつ、真面目な話も。

 ゲストスピーカーとしてNTT西日本の堀晃大監督や船水雄太選手を迎えて、視聴者から寄せられた質問に答えてもらったりしています。これからも、いろんな方に登場いただきたいと思っています。YouTubeでも盛り上げていきますよ!

取材◎井口さくら 写真◎荻原雅斗氏提供

荻原さんのブログはこちら   / YouTube『よるてに』はこちら

★クラウドファンディングに興味のある方は「クラウドファンディング ソフトテニス」で検索してください。

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