「メンバーはこのまま固定というわけではない」(紙森監督)
奈良県インターハイ予選(団体)は、6月3日(日)に明日香庭球場で準決勝と決勝が行われ、男子は高田商業が優勝。30年連続50回目のインターハイ出場を決めた。
高田商業は、準決勝では奈良を、決勝では昨年に続き関西中央を破って優勝。準決勝、決勝を通じて1ゲームしか落とさない圧勝だった。
準決勝で1番・下原涼太/林湧太郎、2番・中別府凌/池口季将の2ペアで快勝した高田商業は、決勝では1番・山本大陸/池口、2番・下原/林で2勝。層の厚さを示すように、初戦から全試合でプレーしたのは、下原と林の大将ペアのみだった。
団体戦出場に加え、前週に行われた個人戦では16強を独占。圧倒的な強さを見せた高田商業だが、勝利後の選手たちには納得した様子はない。
「勝ち方にこだわっていたので、いい勝ち方ではなかったと思う。サービスやレシーブから主導権を握りたかったが、自分の中で緊張し過ぎて、空回りしてしまった」とキャプテンの林が反省を口にすると、春の選抜以降「技術的にも精神的にも成長した」と紙森隆弘監督も認める充実ぶりを見せる下原も「チームとしてサービスレシーブをもっと厳しくやっていこうと。コース、スピード、確率のすべてにおいてレベルアップしなければ」と課題を挙げた。
なお、今回の団体戦のベンチ入りメンバー8名のうち、3年生が5名(下原、林、花岡忠寿、増田祐太、加藤雅也)。そのほかの3名(中別府、池口、山本)は2年生だ。
今年は中学での実績のある1年生がそろっているが、個人戦での上位も3年生と2年生が占め、県予選の時点では1年生の団体戦ベンチ入りはなかった。1年生の個人戦最上位は8強入りの堀内駿斗/桑山信(昨夏全中優勝の杉戸中出身)。ただし、「メンバーはこのまま固定というわけではない」と紙森監督も話しているように、チーム内での競争が続くことになりそうだ。
このチーム内の競争が、4年ぶりの夏制覇を目指す常勝チームに、どう好影響を与えていくかも注目したい。
取材・文◎田辺由紀子 写真◎江見洋子 協力◎奈良県高体連専門部