7月30日(月)から8月6日(月)にかけて、ソフトテニスのインターハイが三重県鈴鹿市で開催。最終日の6日は男子団体戦が行われ、高田商業(奈良)が4年ぶり20回目の優勝を決めた。
1番、2番とも逆転で勝利
4年ぶりの優勝を懸けた決勝の相手は羽黒(山形)。高田商業にとっては昨年の準々決勝で、何度もマッチポイントを握りながら勝ちきれず、春夏連覇を阻まれた因縁の相手だ。インハイ決勝という最高の舞台で、リベンジのチャンスがやってきた。
1番で出た花岡忠寿/増田祐太は、相手の大将で昨年の優勝メンバーである根本拓哉/齋藤龍二と対戦した。第1ゲームを取られたものの、花岡、増田とも気合十分のプレーを続け、徐々に押し返してG2-1と逆転。その後に並ばれたものの、続く2Gを連取し、G④-2で最初の勝利を収めた。ほどなく2番の下原涼太/林湧太郎も勝利を収め、②-0で歓喜の瞬間が訪れた。
王座奪還を果たし、花岡と増田は涙、涙。前日の個人戦決勝で下原/林との同士討ちに敗れた悔しさもまとめて晴らす日本一を、男泣きで喜ぶ2人に話を聞いた。
「練習してきたことを思い出した」(増田)
――優勝おめでとうございます! 今日はどんな心境で臨みましたか?
花岡 昨日の個人戦決勝で負けて、すごく悔しくて…今日の団体戦は絶対に優勝して帰りたいと思っていたので、実現できてうれしいです。
増田 1年生のとき、優勝できるメンバーがそろっていながら優勝できなかったのを見ました。去年は団体戦でベンチに入らせてもらいましたが、優勝候補でありながら、負ける瞬間を目の前で見た。自分たちの代では絶対に優勝しようと言っていたので、うれしいです。
――相手は羽黒。雪辱を果たすには、これ以上ない舞台でした。
花岡 絶対に勝つという気持ちで、最後の1球まであきらめない気持ちで、強気で攻める姿勢を大事にしようと思ってプレーしました。
増田 去年の羽黒戦はマッチポイントが何本もありながら、負けてしまいました。今日は自分たちがマッチポイントを握ったときは、練習してきたことを思い出して、普段通りにやろうと思っていました。マッチポイント1本で決めることができて、よかったです。
――第1Gを取られましたが、慌てることはなかったですか?
花岡 はい。1球1球、1ゲームマッチだと思って、相手に追い付かれても、1ゲームを絶対に取るという気持ちで戦っていました。
――増田選手は積極的にポーチに出ていましたね。
増田 紙森(隆弘)先生に「クロスボールを取りに行け」と言われていました。紙森先生が言うことは絶対に正しいので、先生のことを信じて、言われたことをやろうと思っていました。先生のおかげです。
――スタンドの応援も素晴らしかったです。
花岡 僕たちが負けているときも、ずっと後ろで選手以上に声を出してくれました。紙森先生も声を出してくれていて。みんなのためにも絶対に負けられませんでした。
増田 応援はすごく勢いがありました。僕たちが負けていても応援は緩まなかったので、ポイントを取られても焦ることなく、応援のおかげで勢いに乗ることができました。
――今日1日を通して、プレッシャーがありましたか?
増田 昨日の個人戦で2位になったので、相手に向かってこられるので、それを受けるのではなく、2位になったことを忘れて、あらためてチャレンジャーとして、自分たちが弱いと思って1試合1試合、向かっていこうと思っていました。
――最高の気分ですね!
花岡・増田 はい!
取材・文・写真◎石倉利英