アジア大会のソフトテニス競技は8月29日、パレンバンのJSCテニスコートで大会2日目に入った。男女シングルスの準々決勝から始まり、日本は高橋乃綾が日本女子史上初のシングルス金メダルを獲得。長江光一、尾上胡桃はそれぞれキム・ドンフン(韓国)、鄭竹玲(中華台北)に敗れて、シングルス8強で終えた。
高橋の準々決勝の相手は韓国のエース、キム・ジヨン。高橋は韓国にはあまりいないサウスポーに加え、得意のカットサービスでジヨンに主導権を握らせない。日本女子の斎藤広宣監督は、「正直、ジヨン戦は厳しいかなと思っていましたが、あそこで韓国のエースを倒したのは大きかった」と振り返る。本人は、「実は初対戦ではなく、北広島カップでも勝っていました。その時のイメージを持って戦えた。サーフェスも自分のカットサービスと相性が良かった」と冷静だった。
準決勝ではYU YUANYI(中国)をストレートで破り決勝進出すると、決勝の相手は尾上を破った鄭竹玲との対戦に。G3-2として迎えたゲームを自らのミスが絡んで落とす嫌な流れだったが、「G3-2として勝ちたい気持ちが出て、逆にビビってしまった。そこで応援席から“振りきれ”という声が聞こえたのですが、自分もそうすべきだと思いました。ファイナルは負けていないので自信はありました」と高橋。
アジア大会の女子シングルスで決勝戦に進出したのは初だったが、それどころか金メダルを獲得した。「まだ実感はないです。金メダルはすごいことだと思います。チームでやってきたことを、そのまま大会でやれたことが勝因です」と高橋。
尾上、高橋が日本として最大の目標である韓国勢を倒して、好スタートをきったシングルス。この流れを大切にして、ミックスダブルス、団体戦へと向かう。
文◎福田達 写真◎小山真司