第73回国民体育大会「福井しあわせ元気国体」のソフトテニス競技は5日、少年男子・女子の1日目が行われた。武生中央公園庭球場では少年女子を実施。今年は47都道府県のフルエントリーとあって、第1試合開始の朝9時から、全試合が終了した17時過ぎまで、長時間の熱戦が繰り広げられた。
1回戦で会場が沸いたのは、大阪と秋田の一戦だった。インハイ団体優勝の昇陽高単独で臨む大阪の優位が予想されたが、秋田の1番ダブルス、秋元ゆい/荻原絢音が、大阪の1番、吉田さつき/岡田麻那に第1Gを取られたものの、第2Gから4Gを連取してG④-1で最初の勝利を収めたのだ。さらに2番シングルスも、秋田の工藤彩奈が大阪の上野小町を、一時はG3-2とリードして王手をかけた。
ここから底力を見せた大阪は、上野がファイナルの末に逆転勝利を収めると、3番ダブルスは蓮岡若奈/吉田澪奈が茂木佳奈子/菊地澄佳をG④-1で振り切り、2回戦進出。惜敗となった秋田だが、応援団や周囲の観客からは試合後、大きな拍手が沸き起こった。
インハイ王者を慌てさせた秋田の1番ダブルスは、後衛の秋元が秋田和洋女子高、前衛の荻原は秋田北高の混成ペア。組んだのはインハイ予選後で、練習の時間は限られていたが、3年生の2人は高校生活最後の大舞台で、持てる力を存分に発揮した。悔しさの中にも充実感を漂わせていた2人に試合後、話を聞いた。
全部攻める気持ちで頑張れた(秋元)
――インハイ王者の大阪との対戦でした。どんな思いで臨みましたか?
秋元 自分たちのプレーをやりきることと、挑戦心を忘れずに戦いました。
荻原 インハイで優勝しているチームなので、向かっていって、楽しく、強気でやろうと頑張りました。
――勝利の要因は何だと思いますか?
秋元 相手のボールは速かったですが、攻められたときに弱気に返すのではなく、全部攻める気持ちで頑張れたのがよかったと思います。
荻原 ディフェンスと攻撃のメリハリをつけて、後衛が良いボールを打ったときは必ず攻めるようにして、ポイントを取ることを心がけたのが、うまくいきました。
――いつからペアを組みましたか?
秋元 8月の後半だったよね?
荻原 みんながインハイから帰ってきてから練習しました。
――どんなことを話し合っていましたか?
荻原 お互いが自分のやるべきことをやって、後衛が良いボールを打ったら、私が攻める。まず後衛が攻めて、という形でやりました。
秋元 前衛が必ず決めてくれるという確信があったので、自分は好きなところに思いきり打つことができました。
――2人の高校は今年のインハイ団体戦に出られず、荻原さんは個人戦にも出場できませんでした。国体に懸ける思いは強かったのでは?
秋元 高校生活最後の試合なので、今までお世話になった方への感謝の気持ちを持って、悔いの残らないようにプレーしました。
荻原 私はインハイに出ていないので、試合の感覚が他の選手より空いていました。国体に向けては、全国のレベルに対応できるように、気持ちを作って臨みました。
――悔いなく戦えましたか?
秋元・荻原 はい!
取材・文・写真◎石倉利英