10月19日(金)から21日(日)まで熊本県・熊本県民総合運動公園メインテニスコートで開催された『第73回天皇賜杯・皇后賜杯全日本ソフトテニス選手権大会』。大会最終日となった21日(日)は、男女とも準々決勝、準決勝および決勝が行われ、女子は林田リコ/宮下こころ(東京女子体育大/明治大)が昨年に続き、連覇を果たした。
皇后杯連覇は13年ぶり
第1シードの林田/宮下は、67年ぶりの高校女王となった昨年も見せた大舞台での勝負強さを、今年も遺憾なく発揮した。
準々決勝では薮内祥子/古田麻友(関西大)、準決勝では徳川愛実/草野絵美菜(ヨネックス/Palaistra)に対し、落ち着いた試合運びで圧倒。
志牟田智美/泉谷朋香(東芝姫路)との決勝では、G2-4までリードされる苦しい展開から、林田の驚異的なコートカバーリングからの強打、要所で宮下がボレーを決めて挽回し、ファイナルへ。そのファイナルもどちらに転んでもおかしくない勝負だったが、5オールから宮下が2本連続でポーチを決めて、接戦を制した。
「決勝は本当に苦しかった」と林田と宮下。劣勢に追い込まれた場面を「前衛に捕まるかもしれないと、迷いがあり、高い打点で打てなくなっていた」(林田)、「センターを抜かれたりして、弱気になって守るばかりになっていた」(宮下)と振り返り、2人で話し合い、「受けていたら勝てない」と気持ちを切り替えたという。
昨年とは環境が変わり、ペアとしての十分な練習ができなかった中で迎えた皇后杯だったが、試合の中での修正力を発揮し、2人ならではの攻撃力とコンビネーションで2連覇をつかみとった。なお、皇后杯の連覇は、2005年に2連覇している渡邉梨恵/堀越敦子(当時NTT西日本広島)以来13年ぶり。
志牟田/泉谷は、植田幸寿保/石井友梨(ワタキューセイモア)、森田奈緒/黒木瑠璃華(ヨネックス)を、終始安定したプレーで退け、決勝進出。決勝は先に流れをつかんでリードしていただけに、「メンタル的に守りに入ってしまった」(泉谷)、「ミスしても切り替える力がなかった」(志牟田)と、一気に押し切れなかったことを悔やんだが、今年3月に結成したペアとしては十分に手応えの残る決勝進出だった。
皇后杯大会上位者
優勝:林田リコ/宮下こころ(東京女子体育大/明治大)
2位:志牟田智美/泉谷朋香(東芝姫路)
3位:徳川愛実/草野絵美菜(ヨネックス/Palaistra)
森田奈緒/黒木瑠璃華(ヨネックス)
5位:薮内祥子/古田麻友(関西大)
田辺恵理/小林美咲(どんぐり北広島)
中川瑞貴/芝崎百香(ナガセケンコー)
植田幸寿保/石井友梨(ワタキューセイモア)
決勝
林田/宮下 ⑤-4 志牟田/泉谷
準決勝
林田/宮下 ⑤-1 徳川/草野
志牟田/泉谷 ⑤-0 森田/黒木
準々決勝
林田/宮下 ⑤-2 薮内/古田
徳川/草野 ⑤-0 田辺/小林
森田/黒木 ⑤-4 中川/芝崎
志牟田/泉谷 ⑤-1 植田/石井
取材・文◎田辺由紀子 写真◎江見洋子 協力◎日本ソフトテニス連盟