【ソフテニ姉さんの超体育会系なお悩み相談】勝ちたいならペアがどれだけミスしても褒め続けよ
本山友理インタビュー③ソフテニ姉さんの部活生アップデート
Twitter界隈ではソフテニ姉さんの愛称でおなじみの本山友理(@yuritenigon43)さん。大学在学中からモデルとしてキャリアをスタートし、現在はパラスポーツを盛り上げる活動をしている。最近、結婚されてますます洗練された輝きを放つ本山さんだが、高校時代は強豪の中村学園女子高ソフトテニス部に所属し、選抜やインハイに出場したバリバリの前衛だった。
STMポータルでソフテニ姉さんの人生相談企画がスタート。今回はパイロット版として、どんな質問に答えてくれるのか聞いてみました。
高校時代、一番苦労したのは人間関係
――どんな質問が来てほしいですか? 先生が答えられるようなことじゃない方がいいと思うんですよね。ソフトテニス・マガジンには載せられないような話とか。恋愛ネタは?
ソフトテニスより恋愛の方がアドバイスできるかもしれませんね(笑)。
――おお~。人間関係ネタも?
オッケーです。高校時代、一番苦労したのはそこだったので。みんなと仲良くやるのは、今でもやっぱり難しい部分があります。
――元キャプテンとしては?
感謝の気持ちを伝えるのは大事ですね。「ありがとう」だけじゃなく「いつもありがとう」というとか、そういうチームメート間のちょっとした声掛けでずいぶん変わったりします。
あとはペアとの関係ですよね。ダブルスはもうペアのためにプレーするしかないんです! 勝ちたいんだったら! ペアを活躍させたらいい。ペアが1点取ってくれたら、自分の1点ですから。
でもなぜかみんな、ペアがやりにくくなる方法を選んでしまうんですよ。ペアがミスしたら「え?」って顔しちゃったり、あれをやることによって、自分で自分にミスしちゃいけないという見えないプレッシャーをかけてるんです。自分が相手を許せないんですから、相手も自分のミスを許してくれないのは当たり前。
自分のミスは許してほしい、でもペアがミスしたら許せないというのが、中学生あるあるで。先に相手がミスったのを許したら、自分がミスしても「いいよ、いいよ、次、頑張ろう」と言ってくれるかもしれない。そうすると次頑張れるじゃないですか。高校時代はホントそれで勝ちました(笑)。
――ソフテニ姉さんは人間力で勝っていた?
そういう風に言ってもらえるとうれしいですね。3年生のときに1年生と組んだのですが、1年生からすると緊張しますし、負けたら私が引退なので、そのプレッシャーの中でやりづらかったと思います。
私はペアがどれだけミスしても褒め続けていました。セカンドレシーブがネット下段ということもありましたけど(笑)。中学で全国に出た上手な子だったのに、緊張しすぎてそれが出せなくなっていた。「全然気にしなくていい。1本でも返したら、私、全部ポーチに出るから」って、全部ポーチに出ていたこともありました。
――『熱中!ソフトテニス部』読者の中学生の悩みは、ほとんどが緊張するです。
なるほど。私は逆に、人が見ていないと嫌でしたけどね。全然やる気にならないというか。人に見てもらえる機会ってあまりないので、普段は毎日トンネルみたいなところで、スポットライトが当たらない中、練習しているから。いざ当ててもらえると「うれしい」というのがありました。
中学生は試合で勝たないと思うからじゃないですかね。私の場合、ある意味、大会の方がプレッシャーがなかったです。
――試合で緊張する人は普段の練習から追い込んで緊張した方がいいと?
そういう環境を先生につくってもらっていたんでしょうね。ただ、人に緊張をつくらされる人と、自分で緊張をつくれる人がいて、人につくらされないとできない人なら厳しい先生のもとで指導してもらうのも一つの手。自分でやりたいというのであれば、「あと何本入れないと今日は家に帰らない」とか、「ミスすると腹筋5回やる」とか。サービスレシーブでもゲームカウントやポイントカウント、対戦相手を想定してやったり。それだけでも結構変わります。
――先生が怖いんですけど、という悩みもあると思います。
これは~、怒られたあとが勝負です! 怒られたあとにどういう行動を取れるかで、そのあとまた怒られるか、この子はすごいなと思われるかに変わるんですよ。
大人になってからも、怒られたあと、どう行動していいか分からない人いるんですよね。そのあとにどういう行動を取るかですごく認めてもらえる場合もあるのに。
――どうしたらいいか分かりません…。
初歩的なことではあるんですけど、怒られた次の日にまず自分から謝りに行き、「昨日はすみませんでした」とまず言う。今後、自分がどういう風にやっていきたいかを伝える。ちゃんとできるかどうか、また見ていただけるといれしいですというだけで、結構、変わりますね。
昨日怒られたから気まずいと自分から距離を取ってしまうと、また怒られたりしますから。
――社会人でも使えるライフハックですね。
家庭でも使えます。主人とケンカしたら、まず全力で謝る。
――自分が悪いと思っていなくても?
揉めたり、怒られた時点で自分が悪くない点は1つもない…そういうケースは少ないんじゃないかと思います。それに、「先に謝れる」のは自分の強さを見せる行為でもある。謝罪の気持ちを相手にしっかり伝えることが条件ですが、それができると、そのあとの会話がすごくスムーズにできる気がするんですよね。
変にどうしたらいいんだろうなと様子をうかがう感じだと、ギクシャクしたままですし、どうせその問題がまた後で出てきたりするので、先に謝る。攻撃は最大の防御っていう言葉がありますが、それに近い気がします。
――ソフトテニスに例えると「先に謝る」は?
…サービスかな。誰にも邪魔されない唯一の攻撃なんですけど、そこでコースを決めたり、スピードをつけたり、そこで向こうのレシーブの対応が変わってくる。次の日の作業がサービスです。
――ありがとうございました!
というわけで、ソフテニ姉さんへの質問を募集しています! この記事のツイートにリプライを送っていただくか、匿名希望やこっそり相談したい場合は softtennis.mag@bbm-japan.com まで(件名「姉さんに相談」、本文に相談内容、年齢or学年、ペンネームを書いてください)。中高の部活生はもちろん、大人のプレーヤー、先生からの質問もOK! すべての質問に答えられるかは分かりませんが、なるべくみなさんのお悩みに寄り添っていきたいと思います!
本山友理
長崎県生まれ。身長170cm、右利き、前衛。精道中→中村学園女子高→法政大。高2時にインハイ個人出場&選抜8強、高3時にインハイ個人出場&団体8強
写真◎橋田ダワー 取材・文◎内田麻衣子