実業団選手による頂上決戦、第5回京冬CUPが3月23日(土)、24日(日)に島津アリーナ京都で開催された。今年はフォーマットが変更され、男女ともに6ペアの総当たり戦となり、男子は村田匠/林大喜(NTT西日本)、女子は志牟田智美/泉谷朋香が初優勝した。
女子は2019年度の全日本ナショナル8名が参加するハイレベルな戦いに。初日を終え、志牟田智美/泉谷朋香(東芝姫路)、濱谷杏奈/大槻麗(ダンロップ)、植田幸寿保/石井友梨(ワタキューセイモア)が2勝1敗で並ぶ星のつぶし合いに。ただ、2日目の初戦の序盤に、石井が肉離れで途中棄権となる。一方、志牟田/泉谷は3勝目を挙げて王手をかけると、中川瑞貴/芝崎百香(ナガセケンコー)との最終戦はファイナルにもつれる。先にマッチポイントを握られたが、泉谷が勝負強さを発揮して追いつくと、最後は⑧-6で逃げきった。
「4-6になったけど、自分らのミスから。焦りはなかったし、まだいける、と思っていました」と泉谷。志牟田は最後の場面を「私は少し焦っていました。深く後衛の前に返すことだけを心掛け、前が動いてくれたのが勝因」と振り返った。
春の最大の目標は日本代表を選ぶ5月の予選会。泉谷は、こう見据えている。
「もう予選会に向けて、走っています、この試合も通過点。2人で試していることもあります。今日みたいなゲームが続きますが、いかに状況を理解して、戦っていけるか」
この日が最後の采配となった金治義昭監督も「ほんまにうれしい」と満面の笑み。親孝行の2人が送り出した。
男子は初日に村田匠/林大喜(NTT西日本)が3連勝、同じチームの水澤悠太/林湧太郎(NTT西日本)を2で破って優勝に大きく前進する。2日目も2連勝して、負けずにウイナーとなった。
「チームの半数がナショナルの合宿に行っています。そんな状況でNTTの強さをアピールする大会だったのかなと。そこで、しっかりと結果は出せたので、これからも競っても勝てるようにしていきたい」と林大喜。
実はこのペア、ほとんど組んだ経験がないという。村田匠はこう考えていた。
「林さんとは練習でも組んでいないし、ぶっつけ本番のようなものでしたが、それでも勝たないといけないというのはありました。試合の中で、どうやって戦うか話し合いながらでしたが、競った試合も、上手く勝てました」
この2人はナショナルには漏れたが、代表予選会を勝ってもおかしくない可能性を秘める。これから、5月のハードコートでの戦いを見据えるのは同じだ。
▼結果
女子優勝:志牟田智美/泉谷朋香(東芝姫路)
2位:濱谷杏奈/大槻麗(ダンロップ)
3位:平野佳奈/中西麻友(ベスト)
男子優勝:村田匠/林大喜(NTT西日本)
2位:塩嵜弘騎/花田周弥(和歌山県庁)
3位:水澤悠太/林湧太郎(NTT西日本)
取材◎福田達 写真◎江見洋子