全日本高校選抜大会男子は順調に試合が進み、北海道1位のとわの森三愛が松江工業(島根)に②-1で勝利してベスト8進出を決めた。この春で就任3年目を迎える庄司智哉監督に、ここまでの振り返りと明日の準々決勝への意気込みを聞いた。
一から努力を積み重ねた結果
――ひとつの区切りとなるベスト8進出を果たした感想を聞かせてください。
インハイで団体初出場を果たした去年のチームの1番手から4番手までが抜けて、ごっそり入れ替わったチームだったので、一からひとつずつ努力を積み重ねた結果がこういうふうに出て、本当にうれしいです。生徒たちの力だと思います。これまでベスト8が最高成績なので、それに並ぶことができました。
――松江工業戦は1番を落としたところからの逆転勝ちでした。
新3年生は2番の大将ペア(吉根睦朗/重森康夫)と3番の後衛(磯部心)、1番のペア(髙野光翔/後藤柊)と3番の前衛(岡崎舜)が新2年生という構成で、最上級生が力を出してくれると思ってそのオーダーにしました。その通りに力を出してくれて…狙い通りというより、うまくいきすぎです(笑)。
――どういうところがうまくいったと感じられますか。
全国の舞台を経験しているのは、インターハイの個人戦に出場した3番の磯部だけで、ほとんどが私学大会で初めて全国を経験するという子たちで挑んだので、よく力を出してくれたなと思います。生徒にはいつも『明るく、ワクワクしてテニスをやろう』と言っていて、今日も勝ち負けよりこの状況を楽しもうと伝えました。みんなも僕も笑顔でコートに送り出せたので、勝っても負けてもやり切ってくれた試合だと思います。
――監督の目から見て、今年のチームはどんなチームですか。
今年の新3年生は入学当初から、私生活の面で注意されることがほとんどなかったんです。人の気持ちを考えて動ける子たちだったので、テニスの技術をつければ強くなるとずっと思っていました。ソフトテニスは相手の気持ちを読むスポーツだと感じていて、テニスの技術をつければ、相手の気持ちを読んでいいテニスをしてくれるかな、と。それがだんだん花開いてきたというか。とにかく楽しそうにやってくれてうれしいです。
――ベスト8でまた強豪校と試合をできるのは、すごく大きな経験になると思います。
『どこの高校よりもあのチームは楽しそうにテニスをやっているな』というのが、うちの目指しているチームカラー。何のためにテニスをやるのかといえば楽しむためですし、保護者やいろんな方々の支えがあってこそのこの結果なので、そうした方々や仲間たちのためにも、楽しむということを大事にして明日もがんばりたいです。
取材・文・写真◎直江光信