5月18日(土)から開幕していた『第26回全日本シングルス選手権大会』は19日(日)、長崎県・長崎市総合運動公園かきどまり庭球場で大会最終日を迎えた。前日の荒天により3回戦からのスタートとなったこの日、ときおり弱い雨が降る空模様ではあったものの、男女とも無事に決勝戦までが行われ、男子は船水颯人(ヨネックス)が優勝を果たし、世界選手権代表の座を獲得した。
船水は3年連続4回目の頂点
男子で準決勝に進出したのは、船水颯人(ヨネックス)、広岡宙(NTT西日本)、上松俊貴(早稲田大)、長江光一(NTT西日本)の4名。
この中で特筆すべきは広岡だろう。広岡は、16本決めで全日本シングルス優勝経験者の増田健人(和歌山県庁)を退けると、8本決めでは先の世界選手権代表予選会で優勝している内田理久(早稲田大)にも競り勝ちベスト4。続く準決勝で船水に敗れたが、難敵を退けての好成績に「素直にうれしい。強い人たちを倒してのベスト4なので今後の自信になった」と手応えをつかんだ様子だった。
そして、決勝はその広岡を準決勝で下した船水が圧倒した。先々週の予選会ではペアとして戦った上松との対戦となった決勝戦。船水は、第2ゲームこそデュースの末に上松に奪われG1-1となったが、ペースを崩されることはなかった。「相手も思い描いていたようなプレーをしてきたと思うが、それに対応しながらも自分のいいところが出せた」(船水)。第3ゲーム以降を連取して、3年連続4回目の頂点に立ち、世界選手権の切符を獲得した。
「できれば先々週のダブルス予選会で代表権を獲得したかった。そこを逃してしまってショックは大きかったですけど、もう1回チャンスがあるということで、今回しっかり準備してきたことを出しきれた」と船水。王者の言葉からは代表への強い思いが感じ取れた。
▼男子決勝
船水颯人(ヨネックス)④―1上松俊貴(早稲田大)
男子
優勝:船水颯人(ヨネックス)※世界選手権日本代表
2位:上松俊貴(早稲田大)
3位:広岡宙(NTT西日本)、長江光一(NTT西日本)
取材・文◎吉井信行 写真◎太田裕史