7月25日(水)から8月1日(木)にかけて、ソフトテニスのインターハイが宮崎県宮﨑市の生目の杜運動公園テニスコートで開催。28日は男子団体戦で、48校がトーナメントで優勝を争う。
急造ペアで8強入りへの大舞台へ
団体戦に出場するチームの目標として最初のターゲットになるのは、部の歴史を塗り替えるインハイでの過去最高成績。高崎商業(群馬)の過去最高成績は2年前の16強で、今年は1回戦で米子松陰(鳥取)、2回戦で市尼崎(兵庫)を下し、過去最高に並んだ。
記録を塗り替える8強入りを懸けて3回戦で戦ったのは、2017年の王者・羽黒(山形)。2面展開の戦いは3番勝負となり、最後に勝敗を託されたのが、2年生後衛の佐藤智仁と、1年生前衛の岩﨑俊介だった。この日、最初の2試合では出番がなかったが、急きょ回ってきた出番が、重圧のかかる大舞台となった。
しかも2人は、これまで別の選手とペアを組んでおり、公式戦で組むのは初めて。それでも好連係を見せて押し気味に進め、G3-2とリードした。だが、そこから相手の斎須大夢/田代陽己に反撃を許し、ファイナルの末に逆転負け。試合中は笑顔も見られたが一転、悔し涙で大会を終えた2人に、重圧の中で学んだことなどを聞いた。
「今後への経験になる」(岩﨑)
――3番勝負で惜しくも敗戦となりました。
佐藤 1、2回戦は4番手で出ていなかったのですが、急に出ることになって、本当に緊張しました。
岩﨑 急造ペアで、練習試合でしか組んだことがありません。まだ1、2年生ということもあって緊張しましたが、最後はしっかり戦えたんじゃないかと思います。
――試合中の2人の笑顔が印象的でした。
佐藤 相手は強いペアで、練習試合で対戦したことがあるのですが、ボロボロに負けてしまいました。強い相手だから、とにかく向かっていこうと、楽しみながらプレーすることを意識しました。
――岩﨑選手は初めてのインハイです。
岩﨑 楽しめました。相手は強くて、羽黒はインハイでも優勝したことがあります。上の存在だと思っていて、そういう相手とやれたことは、今後への経験になると思っています。
――先輩たちの思いも背負って戦った経験を、どのように生かしていきたいですか?
佐藤 先輩たちと一緒に成し遂げられなかった全国制覇を、新しい代で成し遂げたいです。また羽黒と対戦して、今度は倒せるように頑張りたいと思います。
岩﨑 相手はとても精神力が強くて、試合経験も豊富です。そういうところに、すごさを感じました。
――初のインハイ8強、さらに全国制覇に向けて、どんなところを伸ばさなければいけないと感じていますか?
佐藤 全国の上位校は、サービスレシーブの精度が高いです。自分たちはファーストサービスが100パーセントで入らないですし、そのあたりを強化していきたいです。
岩﨑 前衛なので、チャンスボールをしっかり決めたいです。相手をしっかり見て、観察力をつけていきたいと思います。
取材・文◎石倉利英 写真◎井出秀人