7月25日(水)から8月1日(木)にかけて、ソフトテニスのインターハイが宮崎県宮﨑市の生目の杜運動公園テニスコートで開催されている。30日は女子個人戦が始まり、3回戦途中まで行われた。
雷雨の中断をはさんだ直後、第1シード長谷川憂華/立花さくら(山陽女子)に3回戦で挑戦したのは福知山成美の山下愛莉/前穂乃花。今大会は団体戦出場を逃し、個人戦もこのペアしか出場していない。そんな状況に気持ちが入ったのか、最後まで相手を苦しめた。
序盤は長谷川のストロークを思うように返球できず、ゲームを落とす。G0-2とされてからの3G目に粘りを見せてデュースの末にこのゲームを奪うと、山下のストロークが勢いを増す。元々前衛だった山下だが、やれる手応えをつかむと、ストロークでも思いきり攻めるようになる。さらに、カット、スライスなどの緩急を使って相手を翻弄すると、ラリーでも負けないようになっていく。
「不安もありましたが、カットも効果的なのが分かり、普段通りに打てるようになっていきました」と山下。
前衛の前も徐々に存在感を示すようになり、試合はファイナルにもつれる。しかも3-0とリードして、さらに5-3とした時は、「行けるんじゃないかと思いましたが、今振り返るとそれがよくなかった」と前。最後は6-8で相手に軍配が上がった。
「できれば勝ちたかったですが、最後にいい経験ができました。相手が第1シードでも攻める姿勢があれば、こういう試合ができる」と前。2年生の山下は「来年は京都でインターハイがあります。そこで活躍できるように練習から頑張りたい」と話した。
相手は昨年の個人戦を準優勝しているペアではあるが、自分たちのやってきたことを信じて出せれば試合の行方は分からない。時間をかけて習得したカット、深いストロークを織り交ぜるボールは通用した。そういう練習をしてきたから、接戦に持ち込めた。山下/前にとっては何かのヒントを与えられた3回戦だったに違いない。
取材◎福田達 写真◎川口洋邦