第74回国民体育大会『いきいき茨城ゆめ国体2019』のソフトテニス競技は9月30日、北茨城市磯原地区公園テニスコートで成年男子・女子の2日目が行われた。成年女子は東京都が2年連続10回目の優勝を果たしている。
G1-3から鮮やかにまくって優勝!
東京都と広島県、2年連続で同じカードとなった成年女子決勝は3番勝負にもつれ込んだ。広島県は田辺恵理/森本彩鼓が立ち上がりから押し気味に進め、G3-1とリード。第5Gは取られたものの、第6Gを3-1としてマッチを握り、昨年敗れた雪辱を果たしての優勝に、あと1ポイントまで迫った。
東京都は小林愛美/芝崎百香が粘り、2連続ポイントでデュースに持ち込んだが、ここでも田辺ペアが常に先行し、3回続けて先にポイントを奪う。計5回のマッチを握ったが、ことごとく小林ペアがしのぎ、最後は⑧-6で取ってファイナルへ。ここでは小林ペアが逆に6-3のマッチから2連続ポイントで追いすがられたが、最後は振りきって大逆転勝利を飾った。
それぞれ成年での出場は初めて、練習時間も多くなかったという状況ながら、追い詰められてから底力を発揮。周囲からの祝福がやまなかった2人に試合後、話を聞いた。
「応援が心強かった」(芝崎)
――素晴らしい逆転勝利でした! 追い詰められた場面もありましたが、試合中はどんなことを話し合っていましたか?
芝崎 あまり話し合いはしていませんでした。「ボレーを入れるね」って。
小林 「しっかり打ちます」と言っていました。
――マッチを握られてから小林さんが強打を連発していたのが印象的でした。開き直ったような心境でしたか?
小林 無理にロブを打ってポイントを取られていたので、しっかりラケットを振ろう、と。ラケットを振ったら自分たちにチャンスがある、ポイントを取れると思ったので、しっかり振りました。
――芝崎さんも積極的に取りに出ていました。
芝崎 小林のボールが『豪速球』なので、基本的には相手が打ち負けて、(チャンスボールが)上がってくるのを待つ、というのが組むにあたって意識していたことでした。
――小林さんは東京女子体育大、芝崎さんはナガセケンコー、所属が違いますが、練習はできていましたか?
小林・芝崎 あんまり…(笑)。
――決勝では、少年女子に出場する東京都の文大杉並高の選手たちが応援していました。小林さんは久しぶりに母校の応援を聞いて、懐かしかったのでは?
小林 楽しかったです(笑)。自分も盛り上がることができて、やっぱり応援ってすごいな、と思いました。
芝崎 ミニ国体(ブロック予選)のときから応援してくれていたので、心強かったですね。
――小林さんは少年女子から続いて個人では国体3連覇ですが、成年は初出場でした。
小林 東京女子体育大の2年生(1番ダブルスの林田リコ/島津佳那)が勝ってくれるので、自分も頑張らなきゃ、という思いでプレーしていました。
――芝崎さんも成年は初出場です。東京都は連覇が懸かっていたので、プレッシャーもあったのでは?
芝崎 でも、楽しくプレーできました。あまりプレッシャーも感じなかったです。
――これから所属チームで、どんなことを積み上げていきたいですか?
小林 今回、1日目の最初の試合は全然ダメでした。いつでもしっかりラケットを振れるように、またしっかり練習していこうと思います!
芝崎 しっかり決め切ることを目標、課題 にしているので、しっかり自分でポイントを取れるように練習していきたいです!
取材・文◎石倉利英 写真◎井出秀人、石倉利英