2020年度日本リーグの参戦権をかけた日本リーグ下位2チームと、日本実業団リーグ上位2チームによる総当たり戦・日本リーグ入替戦。女子は3戦全勝で太平洋工業が日本リーグに昇格し、2位の城山観光は日本リーグ残留を決めた。
昨季の入替戦で敗れた悔しさを力に変えた太平洋工業
2015年から2018年まで日本リーグを戦った太平洋工業が、1年間の苦節を経て、大舞台への復帰を決めた。
前回の入替戦で城山観光、ベストに1-②で敗れ、「屈辱的な負け方だった。以来、絶対に1年で上がるんだと思ってやってきました」と朝倉基文監督が語るように、この1年間、チームは日本リーグ復帰への強い思いを秘めて練習を重ねてきた。
その思いが本物だったことを示すように、初戦のベスト戦では、1番・山宮紗奈/地中葵、2番・塚川優女がG④-0の快勝、3番・河浪佑/小林すみれもG④-1で勝利を収める。
そして、太平洋工業が大一番と見ていた第2戦の城山観光戦でも、頭ひとつ上の強さを見せつけた。山宮/地中が齋藤ひなの/元村華楠にG④-2で勝ったあと、城山観光の絶対的エース・加奈乃佳に塚川が敗れ、勝負をタイに戻されるが、チームの精神的支柱・河浪/小林が巧みな配球でW後衛・黒木夏穂/大園優里を寄せつけず、ストレート勝ちした。
こうして初日に前回敗れた2チームにリベンジを果たすと、「明日も攻めきって勝ちたい」と朝倉監督が宣言した通り、きのくに信用金庫に②-1で勝利し優勝を果たした。3戦全勝と内容がよかっただけに、朝倉監督は自信を深める。「来年度の目標は全日本実業団、日本リーグの上位。決して無理な目標ではないと思います」。
メンバーの年齢も若いだけに、日本リーグ上位チームにとって怖い存在になっていきそうだ。
2位にはこの太平洋工業をもっとも警戒させた城山観光が2勝で座った。今秋は地元での国体を控え、徳森ひろみ監督は、「リーグも(地元開催の)国体もしっかり頑張らせます」と誓っていた。城山観光にとって、来季の日本リーグは3回目の挑戦になる。
▼女子結果
1位:太平洋工業(実業団リーグ1位) 3勝⇒日本リーグ昇格
2位:城山観光(日本リーグ7位) 2勝1敗⇒日本リーグ残留
3位:ベスト(日本リーグ8位) 1勝2敗⇒実業団リーグ降格
4位:きのくに信用金庫(実業団リーグ2位)3敗⇒実業団リーグ残留
取材・文◎鈴木快美 写真◎石井愛子