3日間の日程で、延期になっていた東京都選手権が2020Tokyo Thanks Matchとして行われた。3年生だけではなく、1、2年生も含めた265ドローの大会。もちろん、インターハイが消滅した3年生を送り出すことは大切だが、1、2年生が3年生と組み、または3年生と対戦することは勝敗以上に意義あることだ。感じることはそれぞれではあるが、思いっきりぶつかる下級生たちにとっても来季につながることは多い。
東京都女子は3日間の開催で昭和の森テニスコートから始まり、最終日の東京立正高に勝ち残った32ペアが頂点を目指した。その最後の決勝戦に残ったのは、ともに文大杉並の庄司琴里/左近知美、久保田茜/田中瑠奈だった。大会前の練習から、この舞台で対戦しようと誓い合った両者。特に久保田ペアは圧勝続きで決勝戦に進出したが、庄司ペアは長い試合が多かった。
「お互いよく知っているので、受け身になったらやられる。向かっていこうと常に話していました」と庄司が話すように、大会中ずっと好調だった相手の長所をよく分かっていた。第1Gを競りながら奪うと、第2、3Gを奪い返されるが、そこから3Gを連取して、優勝を決めた。
2年生の左近は、「相手は学校で強くて3年生。自分たちを信じて、強気で入れたのがよかったです」と振り返る。そして、最後に3年生への感謝をこう話した。
「今の3年生はインターハイがなくなるなど悔しい思いをしているのに、来年のインターハイのためにと練習にも来ていただく。本当に学ぶことは多いです。仲はいいのに、コート上ではお互いが思ったことを言い合える人たち。自分たちもこういう学年になりたい。そうならないと強くなれないのかもしれません」
日々の練習でさまざまなことを感じ、久々の公式戦を体感して、より一層強く思った。こういう経験が選手たちを大きくしていくのかもしれない。
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取材◎福田達 写真◎矢野寿明