2年ぶりに開催されている全日本高校選抜大会で、地元の女子部員が初めて副審を務めている。男子部員はこれまでも務めていたが、女子にも扉を開いた新しい試みの中で、それぞれが貴重な経験を積んでいる。
享栄高の女子部員3人が担当
全日本高校選抜大会の正審は東海4県の役員が務めており、副審も同様だが、2年前の大会までは一部の副審を地元・愛知の享栄高男子ソフトテニス部員が担当。今大会はそれを女子にも広げ、同高の女子ソフトテニス部員が試合を裁くことになった。
初日は3人が副審を務めた。新3年生の吉田愛美さんは「すごく緊張したけど、試合が長かったので、だんだん慣れてきました」と笑顔。「いつもは大会に出場する側ですが、裏方の仕事を、しかも大きな大会でやることができて、いい経験になります」と振り返った。同じく新3年生の野々山綾芽さんは「緊迫感が伝わってきて、緊張しましたけど、いい経験ができました」、新2年生の佐々さきさんは「最後の方は、最初の頃より自分に自信が持てて、しっかりやることができました」と語った。
全国大会のハイレベルのプレーを間近で見て、選手としても大きな刺激を受けたという。野々山さんは「(インターハイ予選まで)あと半年もないくらいですが、少しでも今日の選手みたいになれるように、また練習を頑張りたい気持ちになりました。全国大会へのあこがれも、すごく強くなりました」と目を輝かせた。吉田さんは「自分には持っていないものがたくさんあって、すごいな、と感心しました」と驚き、佐々さんは「私は後衛で、ラリーでミスをしたり、ボールが単純で前衛にボレーされることが多いんです。ロブも使って、いつものプレーができるようになれれば」とヒントを得ていた。
女子部員の副審は2日目も担当がある予定。他にも裏方としての仕事をこなしながら試合を裁き、春の日本一を懸けた大会を支える。
※吉田さんの『吉』の字は、正しくは土の下に口
取材・文◎石倉利英 写真◎川口洋邦(試合)、石倉利英(集合)