昨年は新型コロナウイルスの影響で中止となり、2年ぶりの開催となる全日本高校選抜大会が、3月28日に愛知県名古屋市の日本ガイシスポーツプラザで開幕。男女各36チームが春の日本一を懸けて激闘を繰り広げている。
全日本高校選抜大会は2日目を終え、男女の準々決勝進出校が出そろった。男子3回戦では、強豪の羽黒(山形)を相手に都城商業(宮崎)が堂々たる戦いぶりで互角の勝負を展開。G2-④、④-3、2-④で敗れたものの、粘り強く元気いっぱいのプレーで印象を残した。瀬戸口稔監督の試合後のコメントを紹介する。
ソフトテニスは技術だけじゃないんだ。(瀬戸口稔監督)
――勝利に手が届きかけた試合でした。
「勝ちを目指してやってきたんですけど、実際にそれが目の前に来た時に、『勝てる』と頭をよぎったのかもしれませんね。3番の後衛の子(隈田原蓮)が思いきって打てるよう、私もひと言を準備してあげられればよかったなと思います。流れはこちらに来ていたので、あと一押しできていれば。紙一重の部分でしたね」
――3番のG2-2で迎えた第5ゲームで3-1とリードした時、勝ちを意識してしまった。
「そうでしょうね。普段はそうはならないんですけど、去年何も試合がない中でのこの舞台で、しかもあまり実績のない選手なので。だから責めることはできません。ただ彼らも、ここまで一生懸命努力を積み重ねてきて、負けはしましたけど『やれるんだ』という手応えは感じたと思います。試合後は、『夏に向けて宿題ができたな、それを克服するために、また自分たちで積み重ねていくしかないよな』と話をしました」
――そこまでの戦いぶりは見事でした。
「ウチの持ち味はしつこく粘り強くやること。本当にみんな学校生活もしっかりしていて、信頼のおける生徒たちなんです。それを武器に戦おう、ソフトテニスは技術だけじゃないんだ、ということをずっと言っています。負ける方向に流れが傾きそうなところを踏ん張るとか、高校生らしくハツラツと戦うというのが、都商が目指しているテニスなので。その持ち味は出せたのかな、と思います。ただ、やっぱり勝負なので」
――ここを勝ってもうひとつ次へ行けたら、また大きな経験になったかもしれません。
「そうですね。そこは悔しいですけど、宿題ですね」
――ただ、九州5位からの出場でここまで戦ったのは立派だと思います。
「ちょうど12月、1月は宮崎県も新型コロナウイルスの感染者が多かった時期で、練習が2週間ほどできない中での九州選抜大会だったんです。その厳しい状況の中で、彼らが自分たちで取り組んでつかんだ5位でした。その力を全国で出そうと話をしていて、だいぶ持ち直して頑張ったと思います」
――これから夏に向けてどう過ごすかが大事になります。
「まずはここで出た課題をもとに、夏の県総体を勝ち抜くこと。そして石川のインターハイでぜひ、ここでやりきれなかった自分たちを超えていく、そんな機会にしたいと思っています。やれる手応えは十分あります。みんなしつこい子たちなので、また夏に向けてしつこくやってくれると思います。私も彼らを信じて、サポートして、夏に8本、4つというところを狙いたいですね」