昨年は新型コロナウイルスの影響で中止となり、2年ぶりの開催となった全日本高校選抜大会。愛知県名古屋市の日本ガイシスポーツプラザで激闘が繰り広げられ、女子は東北(宮城)が男子とのアベック優勝で初制覇を成し遂げた。
雁行陣から本番直前に並行陣へ
初戦から順調に勝ち上がった東北で、圧巻の強さを見せたのが細田美帆/半田穂乃花の並行陣ペアだった。1番で登場し、準々決勝までの3試合はすべて0で勝利。準決勝で今大会初めて1ゲームを失い、2番で出た決勝も1ゲームを失ったが、5試合で失ゲームはわずかに2。天間美嘉/横山心花の1年生ペアとともに、5戦全勝で優勝の原動力となった。
大会直前まで、それぞれ別の選手と雁行陣を組んでいたというが、本番では抜群のコンビネーションを発揮。試合中も、試合後も笑顔が絶えなかった日本一の2人に話を聞いた。
「自分たちでいけるんじゃないかと思った」
――日本一です!
細田 ただひと言、うれしいです!
半田 まだ実感がないのですが、目標にしていた大会だったので、 本当にうれしいです!
――5戦全勝、失ゲーム2の素晴らしい活躍でした。
細田 先生(中津川澄男監督)に「お前たちが負けるとしたら、自分からミスをして墓穴を掘る形だ」と言われていたので、まずミスをしないことを意識しました。また、ダブルフォワードになって攻める形を多く取り入れたかったので、頭を使ったテニスをしようと心がけました。
半田 ファーストサービスを、入れるだけでもいいので絶対に入れることを意識しました。サービスレシーブも、このカウントだったら、こう攻めるといったことを徹底して、ミスなくできたのが勝因だと思います。
――それぞれ別の選手と雁行陣を組んでいたそうですね。
細田 たまに2人で組んでいましたが、大会の前日まで雁行陣で戦っていて、本番もそのペアで戦うと思っていました。でも、自分たちでいけるんじゃないかと思ったし、先生にも言われて。天間/横山の調子が良かったので、信頼して、自分たちで絶対に一本取るから、もう一本をお願い、という感じで臨みました。
半田 去年も組んでいましたが、全国大会で戦えなかったので、今回ここで、今年こそ、という思いで。やっと全国の舞台で戦えるので、思いきって、強気で頑張りました。
――優勝から少し時間が経って、いまの気分は?
細田 両親に「日本一を取って帰る」と LINEしていたので、実現できてよかったです。
半田 優勝した瞬間は涙しか出なかったです。やっと少し落ち着いてきました。
細田 半田は全国で2位を取ったことはあるので、今回は絶対に優勝すると言っていました。
半田 『2位の女』と言われるんですよ(笑)。全国で2位と3位はあるんですけど、1位を取ったことがなかったんです。
細田 自分は表彰されたこともなかったので、今回は絶対に優勝したいと思っていました。
半田 初めての日本一! 本当にうれしいです!