ソフトテニスのインターハイ、女子は石川県七尾市の和倉温泉運動公園テニスコートで開催されている。8月2日は全48校が頂点を争う女子団体戦が行われ、東北(宮城)が初優勝。高校選抜に続く春夏2冠を達成した。
決勝で最初の勝利
高校選抜を制して初の全国タイトルを獲得し、第1シードで今大会に臨んだ東北は、3番勝負の接戦もありながら順当に勝ち上がった。2面展開で行われた三重高(三重)との決勝で、細田美帆/下山香凛は相手の大将、大友紅実/原田美結と対戦。G2-0からG2-2とされたものの、2Gを連取して最初の勝利をつかんだ。
東北はその後、半田穂乃花/村上茉悠もG0-3からまくって優勝が決定。細田と下山は見守っていたベンチから飛び出し、喜びの輪が広がった。この日2試合目から登場して強さを見せつけ、初優勝&2冠達成に貢献した2人に試合後、話を聞いた。
感謝の気持ちを結果で示すことができた
――初優勝おめでとうございます!
細田 2冠、達成しました!
下山 実感が湧かないです。うれしいです!
――春の高校選抜の優勝直後に話を聞いたときも「実感が湧かない」と言っていましたよ。
下山 え、そうですか?(笑) でも本当に実感が湧かないです。
細田 うれしいです。すごくうれしいです!
――どんな思いで臨みましたか?
細田 準決勝が終わった後、(準々決勝と準決勝で敗れた)半田が泣いていました。いつも半田に助けてもらっていたので「自分もキャプテンとしてしっかりやるから、2人で優勝を決めよう」と言って決勝に入ったんです。相手がすごく強いのは分かっていましたが、向かっていくだけでした。以前から先輩たちに「うまくやるのではなく、思いきってやった方が勝てる」と言われていて、確かにインターハイは勢いが大事になる大会だから、思いきってやろうと思って。いつもみんなが支えてくれるから、キャプテンとして最後は結果でみんなを引っ張りたいと思っていました。
下山 最初はすごく緊張していました。でも、緊張して何もできないくらいなら、割りきって、思いきってプレーした方が悔いも残らないし、良いプレーができるかなと思って。いま自分にできることを頑張って、後ろは美帆に任せて、信じてプレーしました。
――選抜の優勝によって、今大会は追われる立場で臨みました。
細田 2年生が心配そうな表情をしていたので「大丈夫だよ」と声を掛けて。自分が勝たないとチームが負けてしまうので「勝つから、頑張って」と言いました。
――下山さんは選抜のとき、自身は1勝しかできずに悔しい思いをしましたね。
下山 選抜で活躍できず、悔いが残っていました。インターハイは自分もチームに貢献したいと思っていたので、結果を出すことができてうれしいです。
――インターハイは高校選抜に続いて無観客での開催でした。
細田 保護者の方々も、見に来たいと思っていた方がたくさんいたと思いますが「宮城から応援しているから頑張って」と言ってもらい、学校に残っている部員からも同じように言われました。保護者の皆さんにも支えてもらっているので、恩返し、感謝の気持ちを結果で示すことができてよかったです。
――下山さん、そろそろ実感が湧いてきましたか?
下山 湧かないです。まだ夢なんじゃないかと思っています(笑)。
細田 下山と一緒に全国大会に出るのは初めて、最初で最後なんです。選抜は出る予定だったのが、直前でペアが変わったので。練習試合で勝ったり負けたり、波があったので心配でしたけど…。
下山 思いきりやったよね!
細田 下山がずっと笑顔だったので、思いきってやれました。本当にうれしいです!