3年ぶりの開催になった全日本社会人選手権は、9月3、4日に群馬県前橋市で開催された。社会人ナンバーワンを目指し、各種目で熱戦が繰り広げられた。
一般男子・第1シードの船水颯人/上松俊貴(稲門クラブ/NTT西日本)vs内本隆文/内田理久(NTT西日本)――アジア競技大会日本代表の4人による男子決勝。船水颯と内本は、互いの「技術」と「執念」がボールに乗り、迫力のあるすさまじいストロークラリーを繰り広げ、その中、両前衛は守り、勝負を仕掛け、要所を締めていった。
第1ゲームを船水颯/上松が④―0で奪取すると、すぐさま内本/内田が2ゲーム連取。しかし、船水颯/上松は第4ゲーム、上松のクロスポーチ2本などでG2オールとする。第5ゲームは、内田がサイドを守って船水の強打を止めるなどし、G3-2とリードを奪う。第6ゲーム、昨年の覇者・船水颯/上松は2-3、3-4とされながらも、執念でマッチを逃れ、ファイナルに持ち込む。
ファイナルは内本ペアが4―0と一気にリードを広げたが、船水颯のストレートパスなどで船水颯ペアが4-5まで挽回する。しかし、内本はすぐさま渾身のクロスパスでポイントし、マッチを握る。11ポイント目、船水颯が厳しいボールを打ち込んだものの、内本がクロスの鋭角へさらに絞り、コート外へ出された船水颯は絞り返せず、ネット。内本/内田が、第1シード・船水颯/上松を破って、社会人ナンバーワンの座を勝ち取った。
「いつもは船水/上松と対戦することがゴールみたいなところがありましたが、今日は勝ちたいという思いが強かった」(内本)
「今回は、1本抜かれても2本取ろうというポジティブな気持ちで叩けました」(内田)
内本/内田の2日目は、ナショナルチームメンバーの船水雄太(AAS Management)、安藤優作/安藤圭祐(東京ガス/東邦ガス)、そしてチームの先輩・村上雄人/長江光一(NTT西日本)らとの厳しい対決もあり、優勝までは苦しい道のりだったが、集中力をきらさず、戦い抜いた。難敵を次々に連破しての優勝、その価値は非常に大きい。
▼決勝
船水颯人/上松俊貴(稲門クラブ/NTT西日本) 3-④ 内本隆文/内田理久(NTT西日本)
▼準決勝
船水颯人/上松俊貴 ④―3 橋本旭陽/広岡宙(三重高クラブ/NTT西日本)
内本隆文/内田理久 ④―1 仲川晴智/大友 駿(東邦ガス)