3年ぶりとなる全日本学生ソフトテニス大会(インカレ)が9月3日(土)から7日(水)にかけて、山口県宇部市、周南市、山口市、下松市で開催されている。527ペアがエントリーした全日本学生選手権の男子ダブルスは、5日、6日の2日間行われ、水木瑠/荒木駿(早稲田大)が片岡暁紀/森田晴紀(日本体育大)を⑤-2で破って初優勝に輝いた。
台風11号の影響で、ベスト64まで決める予定だった1日目に16強決めまでを消化し、2日目も会場や開始時間の変更を余儀なくされるなど、選手たちはプレー外の面でさまざまな対応力が求められた。ただ、いくつかの番狂わせはあったものの、力のある選手たちが比較的順当に勝ち上がり、8強決め以降はとくにハイレベルな熱戦を繰り広げた。
決勝のカードは、2日前の団体戦決勝の最終戦と同じ顔合わせに。その時は、片岡/森田が④-1で快勝し、チームに11年ぶりの優勝をもたらしている。水木/荒木には、この一戦を戦う上でいくつかのモチベーションがあったが、ともに「また悔しい思いをしたくない」という気持ちが強かった。そのために「団体戦の時と同じ戦い方をしたら同じ結果になってしまう」(水木)と考え、戦術を十分に練り、かつ荒木は「相手のロビングを積極的に叩きにいった」という。それらが奏功し、一気に3ゲームを先取する。
2ゲームを返されて、流れが相手に傾きかけたところで、荒木の決定力の高いネットプレーや水木のカットサービスが威力を発揮した。最後も水木のカットサービスで2本のレシーブミスを誘い、勝負あり。団体戦で敗れた雪辱を晴らすとともに、早稲田勢としては3大会連続でのダブルス優勝となった。
「団体戦で悔しい思いをしたので、その借りを返せたかなと。水木さんと組むのは、おそらく今回が最後。4年生に優勝してもらいたい思いだけで頑張ってきたので、それが報われて良かったです」(荒木)
「最初から優勝を狙っていたので、4年生として最後の個人戦で優勝できたのは素直にうれしいです。団体戦で苦しい場面が何度かあったので、昨日と今日の個人戦(ダブルス)でも苦しい時にその経験を生かして、我慢強く、1本1本取っていくことができました」(水木)
団体戦の大学対抗では、連覇を阻まれてしまったが、個人戦ではタイトルを必ず死守する――。今年度の早稲田大をけん引してきた水木の主将としての意地を見た気がした。
■男子ダブルス結果
▼決勝
水木瑠/荒木駿(早稲田大)⑤-2片岡暁紀/森田晴紀(日本体育大)
▼準決勝
水木瑠/荒木駿(早稲田大)⑤-1武市大輝/両角友志(中央大)
片岡暁紀/森田晴紀(日本体育大)⑤-2矢野颯人/端山羅行(早稲田大)