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【メンタル強化連載】第九回・指導者は全ての相談に答えられる訳ではない。愛情を持って次につなぐことも大切

厳しくて何も言えない監督やコーチではなく、何かあったら相談できる関係が理想(写真◎藤井勝治)

日頃の練習や試合で気になる、ちょっとしたメンタルの疑問への考え方を佐藤雅幸先生に解説いただく本連載。前回に続く指導者編の第九回は、指導者と選手の関係性について。さまざまな専門家とのネットワークを作っておくことも、指導者の大事な役割だという。

指導者が自分の能力を過信してしまうのはNG

佐藤雅幸(専修大学教授)

アスリートセンタード・コーチングという、選手が主体となって指導者も一緒に学びながらパフォーマンス向上を目指す指導理念があります。日本体育大の伊藤雅充教授が提唱する『トレーニングは選手本位で行われることを基本として、指導者は選手自らが学ぼうとする環境を整えることに注力し、成長を促そう』というコーチングです。これは、第7回の感謝の気持ちでも紹介した「I’m OK. You’re OK.」という、自分と他者に対する肯定感で満たされている理想の状態で、目標を達成するプロセスと共通しています。

指導者には、良い意味での厳しさと共に選手の内なる言葉にも耳を傾けるカウンセリングマインドが必要です。選手や親御さんからの相談を受ける時に大切なのは、感情的にならずに冷静な判断をすること。

心理学の専門用語に「リファー」という言葉があります。自分では対応しきれないと感じた場合に、より相応しい人を紹介したり、自分では解決できない問題だと思った時に自分以外の専門家に相談することです。一番ダメなのは、自分の能力を過信してしまうこと。問題がこじれてしまいます。指導者は、愛情を持って次にところにつなぐ。そのためにも、さまざまな分野の専門家とのネットワークを作っておくのも、重要な役割です。

「指導者として、さまざまな分野の専門家とのネットワークは、指導の質を高め問題解決に役立ちます」と佐藤先生

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