2023年の北海道インターハイは7月27日、女子個人戦の2日目が行われた。頂点に立ったのは、前田梨緒/中谷さくら。優勝候補にふさわしい圧巻の強さで、須磨学園(兵庫)から初の日本一に輝いた。
8試合で失ゲームわずか4
1日目の2回戦と3回戦を0勝利で終えた前田/中谷は、2日目も5回戦まで0勝利。6回戦で初めて第1Gを落とし、G1-2とリードされたものの、あわてずに逆転してG④-2で勝ち上がった。
6月のハイスクールジャパンカップ・ダブルス優勝の片山麻衣/近藤明日咲(香川・尽誠学園)と激突した決勝も、第1Gを落とすスタート。しかし、先にゲームポイントを握られた第2Gを逆転で奪うと、その後は相手を圧倒し、G④-1で日本一の瞬間を迎えた。
8試合で失ったゲームは、わずか4。他を圧倒する力を見せつけてタイトルを勝ち取った2人に試合後、話を聞いた。
「練習試合だと思って」
――優勝候補に挙げられて迎えたインターハイでした。
前田 向かってこられる試合が多いと自分たちでも分かっていたので、とにかく楽しむだけだと、2人でずっと話し合っていました。
中谷 今回のインターハイはインターハイだと思わず、自分たちの中では練習試合だと思ってできたことが、優勝につながった要因の一つだと思います。試合だと思い過ぎたらプレーが硬くなってしまい、自分たちのソフトテニスができなくなってしまう。練習試合だと思って、ミスをしてもいいから、次に取り返せばいい、思いきってやりたいことをやろう、という気持ちでした。
――決勝は第1Gを先に奪われるなど苦しい状況もありましたが、最後まで攻めの姿勢を貫きました。
前田 1本1本を確実に、目の前の1本を大切にしようと考えていました。
中谷 最後の1ゲームは攻めようと、ずっと前から話していて、(優勝を決めた第5Gの)1本目に前田さんがミスをしてしまった後に、ポーチに出て決めることができました。そういう場面を含めて決勝は、常に攻めることができて、受け身に回らずに戦えたと思います。
――大会中、どんな声を掛け合っていましたか?
前田 目標は日本一でしたが、上を見ることなく、とにかく2人らしいソフトテニスをしようと話していました。
中谷 2人で楽しめました!
――前田さんは今年度、全日本高校選抜だけでなく、全日本ミックスダブルス、ハイスクールジャパンカップ・シングルスなど、個人的にも準優勝がたくさんありました。
前田 準優勝といっても、結局は負けているので、優勝だけが特別という思いがありました。もう決勝では負けたくなかったし、決勝に行く途中でも負けたくなかったので、最後に優勝できてうれしいです。
――須磨学園としても初の日本一、おめでとうございます!
前田・中谷 ありがとうございます!