国内屈指の実業団チームが集まる全日本実業団選手権は、7月29日(日)、佐賀県・唐津市松浦河畔公園庭球場で決勝戦が行われ、男子はNTT西日本が2連覇、17回目の優勝、女子はナガセケンコーが11年ぶり12回目の優勝を飾った。
昨年の日本リーグ1部で戦った猛者たちが、次々と伏兵に土をつけられるなか、今年も男子129チームの頂点に立ち、揺るぎない強さを示したのは、NTT西日本(広島)だった。
まず倒れた実力者は、日本リーグ5位のワタキューセイモア(京都)だ。東ソー南陽A(山口)に行く手を阻まれ、2回戦止まり。前回3位の東京ガスA(東京)も、マツダA(広島)に土をつけられ、3回戦で散った。さらに毎年、NTT西日本と死闘を演じるヨネックス(東京)は、22年実業団リーグ5位のアキム(埼玉)に0-②で敗れ、準決勝に進めなかった。
こんな波乱の展開で、悠々と勝ち上がったNTT西日本への挑戦権を得たのはアキムだ。若手とベテランの力を合わせて、準決勝では前回2位の福井県庁を撃破。決勝戦は、佐藤大和/福田成海がNTT西日本の本倉健太郎/内田理久に、近藤昴/堂野貴寛が内本隆文/上松俊貴に、それぞれ④―1で敗れ、優勝に届かなかったが、及川哲也監督は、「初めての2位という結果は素直にうれしい」と笑顔だった。
なお、9月のアジア大会の日本代表5人中、4人を抱えるNTT西日本の堀晃大監督は、「私たちは、韓国や台湾に勝つためではなく、圧倒するために練習している。その成果をある程度出せたのかな」と話していた。
女子はフィジカルを見つめ直したナガセケンコーがV
一方、女子もまた優勝候補のヨネックスや東芝姫路が、予選リーグで敗れる波乱含みの展開に。そんななか、安定した戦いぶりで決勝戦に勝ち進んだのは、22年日本リーグ優勝のナガセケンコーだ。
勢いのある城山観光との決勝戦では、笠井祐樹/久保晴華がG④―3で黒木夏穂/元村華楠を下して先制。続く早川日向/木原恵菜は、加奈乃佳/河野涼夏に白星を献上するが、上野小町/根岸桃亜奈が末吉りえ/齊藤ひなのとの三番勝負のファイナルを制して、11年ぶりの優勝を引き寄せた。
ナガセケンコーの田中弘監督は、「暑い実業団は、技術よりも気持ち、体力勝負の部分がある。今年は、しっかりフィジカルをつくって臨んだことが功を奏した」と目を細めていた。
★結果
男子
優勝 NTT西日本
2位 アキム
3位 福井県庁
3位 マツダA
5位 東ソー南陽A
5位 川崎重工明石
5位 ヨネックス
5位 中部電力愛知A
女子
優勝 ナガセケンコー
2位 城山観光
3位 ワタキューセイモア
3位 アキム
5位 アドマテックス