特別国民体育大会「燃ゆる感動かごしま国体」のソフトテニス競技は10月16日、鹿児島県鹿児島市の東開(とうかい)庭球場で最終日となる4日目の競技が行われた。少年女子は広島県が12年ぶりの優勝で、久しぶりの王座奪還を果たしている。
全試合0勝利で相手を圧倒
前日までに4強が決まり、この日は準決勝から。昨年優勝で連覇を目指す須磨学園高単独の兵庫県と、東北高単独の宮城県の対戦は、兵庫が②-0で制した。広島翔洋高単独の広島県と、三重高単独の三重県は、両校が激突した今年のインターハイ団体戦の再戦。そのときは三番勝負の末に敗れた広島が、今回は②-0で夏の雪辱を果たして勝ち上がった。
兵庫と広島の決勝は、まず1番ダブルスで兵庫・前田梨緒/中谷さくらと、広島・佐藤心美/杉本希という、今年度の高校3年生を代表する強力ペアが激突した。接戦も予想されたが、第1Gから佐藤ペアがポイントを重ねて優勢に進める。前田ペアも何とか流れを変えようとするが、佐藤ペアの勢いは最後まで衰えず、G④-0で最初の勝利をつかんだ。
続く2番シングルスでは兵庫・中谷ももこと、広島・宮前希帆が対戦。第1Gは中谷が取ったものの、宮前が先にゲームポイントを奪われた第2G、第3Gをデュースの末に連取して逆転。流れを引き寄せると、続く2Gも連取してG④-1で歓喜の瞬間を迎えた。
広島は初戦の2回戦がG③-0、その後の3試合がG②-0と、全4試合で相手に1点も与えない素晴らしい内容。3番には塚本七海/前川愛生の1年生ペアが控えていたが、勝ち抜き決定後の初戦以外は出番がなく、3人の3年生の充実ぶりが際立った。
なかでも佐藤/杉本は前述のインターハイ団体戦準優勝に加え、1年時にインターハイ個人戦で3位、2年時は準優勝に終わっており、個人タイトルでも日本一に手が届かなかった。ラストチャンスで悲願を達成し、「いままで一度も優勝していなかったので、国体のタイトルは絶対に取ってやるという気持ちで臨んだ」(佐藤)、「1年生のときから、いつも負けて終わっていたのが悔しかったので、国体では優勝したいと思っていた」(杉本)という思いを実現し、「うれしいです!」と最高の笑顔を見せていた。